娘のパソコン・トラブル

今日,娘のパソコンが届いた。Lenovo G570 43347GJ というモデル。36,000 円しかしなかったが,15.6 型ワイド液晶(1,366 × 768 ドット),Intel Core i3 2330M/2.2GHz CPU,750GB HDD,2GB メモリ,DVD スーパーマルチドライブ搭載というスペック。テンキーまで付いている結構大きなノート型であった。OS は Windows 7 Home Premium 64bit をプレインストールしている。Web で予備校の VOD 授業を受講することがもっぱらの用途なので,これで充分。

わが家には宅内 LAN が敷設されている。14 年前に家を建てるに当たって,私自身で敷設設計を行い,部材を揃え,設置工事だけ電器屋にしてもらったのである。その詳細はここに書いたとおりである。当時はこんなことをする人はよほどの好き者だったろう。電器屋さんははじめての経験なので,イーサネット 10 Base-T のモジュラーの成端方法など,こちらからあれこれ指示しなければならなかった。もちろんいま現在では無線 LAN が当たり前になったので,自宅にイーサネット回線を宅内配線する人はいないだろう。でもカテゴリー 5 のイーサネットで可能な 100 Mbps 安定高速通信の LAN 接続は,無線 LAN でもいまだに難しいのではないだろうか(最近では 600 Mbps なんてのもあるんだけど)。

そういうわけで,自宅の全ての部屋にはカテゴリー 5 のモジュラーコンセントがあり,屋根裏部屋・書斎にハブと 100 Mbps 光回線終端(要するに外部ネットワークへのゲート)を設置して,放射状のネットワークを構成している。新しいパソコンも娘の部屋のモジュラーコンセントに接続した。ところが。ping に書斎のサーバが応答しない。要するに繋がらない。切り分けのため,私の Macbook Pro を接続してみたがダメ。パソコンではなさそう。次に,ずっと使っていなかった LAN ケーブルで間に合わせたのが悪いのかと考えて,このケーブルで書斎のハブに直づけして ping 疎通させてみるとアウト。よし。確実に繋がるケーブルに差し替えて,娘の部屋でリトライ。でも,やっぱりダメ。「え? もしかして宅内ケーブルがまずいのか?」と最悪の事態が頭をよぎる。それじゃまた電器屋に依頼しなければならない。でないと,娘の部屋から使えず何のためにパソコンを買ったのか半ば意味が失せてしまう。落ち着け。落ち着け。結局,娘の部屋から来ている書斎側のコンセントが間違っていたことが判明。息子の部屋から来ているコンセントに繋いでいたのだった。新たに LAN ケーブルを正しいコンセントに繋いで,やっとネットワークの疎通がOKになった。これで自宅の 5 部屋全てに端末が接続されている状態になった。

ところが。IE で予備校の VOD がきちんと動くか娘に確認させたら,今度は予備校サイトのエラーメッセージが出て,授業のビデオが再生されない。メッセージには「Windows 7 では,A なので B を実行しなければならず面倒ですが,C のアップデートと D の削除も有効だと思われます。この二つのアップデートをしてみてください」云々とある。「二つのアップデートをせよ」というのが何と何のアップデートなのかわかりますか? D はどうもアップデートとはかかわりないようにみえる。「以下三点を順次すべて実行してみよ。1. B を実行する。2. C のアップデートを行う。3. D を削除する」と何故書かないのか。「このコンピュータバカ野郎のバカ文章め!」と頭に来た。プログラマは独り善がりな文章を書くやつが意外と多い。自分がわかっていることを他人にもわかるように書くことがホントへたくそなんである。仕様書や取扱説明書のレビューで呆れることしばしばなのだ。そして,仕様書の書き方がいい加減なプログラマに限ってプログラムそのもののバグも多い。これらは私の SE としての経験である。

結局,エラーメッセージにあるキーワードのひとつひとつを調べて Windows 7 セキュリティアップデートを実施したら動くようになった。セキュリティアップデートをやってみて,これ自体に二種類のものがあって,ようやく「二つの」の言わんとしていることが理解できた。D の削除(いまとなっては何だったのか忘れた)なんてやらなくても,B(IE の管理者権限での実行)と C(セキュリティアップデート)だけで動いた。世の中にはソフトウェアの仕様書・取説をきちんと読むやつがほとんどおらず,コンピュータの素人はどいつもこいつも「教えてクン」であるわけだが,書かれてあるものがきちんとしていないこともかなりある。

娘は大喜び。お父さんスゴイ。さて,お礼に肩を揉ませようか,腰を指圧させようか,お使いをさせようか,いま思案中である。