今日,上野・東京藝術大学の奏楽堂で,英国のオルガニスト,ティッターリントンのオルガン演奏会を聴いて来た。腹に染み渡る荘厳なパイプオルガンの音響を俺ははじめて体験した。演目は次の通り。
藝大奏楽堂のガルニエ・オルガン
- D. ブクステフーデ:トッカータ ニ調 BuxWV 155
- J. S. バッハ:『おお,神の子羊,罪なくして』BWV 656
- J. ネアズ:イントロダクションとフーガ イ短調/イ長調
- S. ウェズリー:ヴォランタリー ニ長調 KO 623
- J. C. H. リンク:コレッリの主題による6つの変奏曲 作品56
- E. エルガー:オルガン・ソナタ第一番 ト長調 作品28 〜 第一楽章
- W. バード:ヴァージナルのための『私のネヴェル夫人の曲集』より「ファンシー」
- H. ハウエルズ:『タリス氏の遺言』
- J. ブラームス:前奏曲とフーガ イ短調 WoO 9
- P. エベン:『ヨブ』より第7曲『懺悔と具現』最終部分『来ませ,造り主なる精霊の神よ』
- P. エベン:『聖日曜日の音楽』より『モート・オスティナート』
一七世紀の古楽からロマン派,現代音楽までの,耳にしたことのない作品ばかりのプログラム。一流のオルガニストによるマイナー曲の演奏会ということで楽しみだった。
俺的にはブクステフーデがいちばんよかった。ハウエルズやエベンの現代曲も,オルガンの多様な音響を駆使して面白いと思った。ブラームスにもオルガン曲があるというのを初めて知った次第だが,堂々たる前奏曲とフーガですごくよい曲なのだが,どうもバッハのハ短調前奏曲とフーガのたたずまいがすぐに連想されて,ロマン派ブラームスの曲というよりは,バッハの伝統の忠実な受容・模倣のような感じが否めなかった。
上野公園では子供たちによる舞祭というイベントが催されていた。その露天で焼きそばを買い食いして帰宅した。著莪の花がたくさん咲いていた。もう初夏である。
上野公園の著莪