macOS High Sierra TeX Live 2017

macOS を使っていると,あるパッケージのインストール時に,OS のバージョンがサポート対象外なのでインストール出来ないという状況がしばしばである。macOS の最大の欠点は,サポート期間が短くかつ上位互換性を平気で無視してくれることである。そのパッケージ使用を諦めるか,「また遅くなるのか」とブツブツひとりごちながら,いやいやながら,OS バージョンアップに取り掛かることになる。そして,バージョンアップ後の様々なアプリケーションソフトウェアの再調整を覚悟することになる。計算機にコキ使われていると実感する時である。

かくして,macOS Sierra を High Sierra にバージョンアップ。そしてやはり,メモリを大食いする macOS の本来的性質のおかげで,かな漢字変換程度でも速度低下が著しく感じられるようになった。メモリを 4GB 搭載していても,Safari,Emacs,ターミナルを起動すると,ほぼ物理メモリを使い切ってしまう体たらくなのだ。さらに,俺の大事な文房具である文書整形システム TeX Live の PDF 生成において,ヒラギノ日本語フォントが拾えなくなってしまった。どうやらヒラギノフォントのパス名などが High Sierra で変わってしまったようである。macOS のもうひとつのダメなところとして,内部構造をころころ変えてくれる。また TeX Live の調整かよ。予想に違わず,計算機にコキ使われていると実感した。俺の残り少ない人生の時間を浪費させないでくれ。

日本の LaTeX ユーザの拠り所となっている TeX Wiki サイトを調べたら,macOS High Sierra での日本語フォント環境の調整の問題について議論がちゃんとなされていた。そこから『macOS High Sierra + Texlive 2017 + ヒラギノフォント』ページを探り当て,この記事に基づいてオペレーションを行うことにより,TeX Live 2017 が以前と同じように使えるようになった。

macOS Sierra においてすでに TeX Live 2017 の導入・調整が完了していれば,このページの cjk-gs-support 及び jfontmaps の項について順次実施すればよい。これによって,High Sierra で変更されてしまったフォントパスを TeX Live から参照できるようシンボリックリンクが張り替えられ,PDF 生成ソフトウェア dvipdfmx のための map ファイルが再調整される。

俺は sudo tlmgr update --self コマンドによって TeX Live システム一式をアップデートしたあとで,これを実施したが,何の引っかかりもなく作業が進み,正常動作も確認できた。LaTeX コミュニティに多謝。