咳止まず

このところ,喉がやられたらしく,咳が止まらず絶不調。夜もなかなか熟睡できない。咳をして口から内臓が出て軀が裏返って発狂する,ユニバーサル横メルカトルな夢までみてしまう。土曜日お午前に近所の耳鼻科に行くも,受け付け終了で無駄足を食わされ,しようがなく今日の午前中同じクリニックに改めて出向いて看てもらった。五種類も薬を出され,自宅に帰る。「なんでこんなに要るんかな」と訝しみながら,咳を和らげる薬,アレルギーを緩和する薬,気管支炎の薬,鼻水を抑制する薬,感染症を抑える薬を,次々と服用していると,娘が帰って来た。熱いヴァンホーテンココアを淹れてくれた。

その後会社に参上。俺の直截の上司・K部長と今年度の残りの作業計画について打ち合わせ。まだまだいくらでもやることが出て来る。「今日,女房の誕生日でさ,早く帰んないとぶっ飛ばされる」とK部長。「ちゃんとプレゼント準備してますか?」。自転車を買ってあげたとのこと。俺も絶不調なんで,資料をひとつ仕上げて家路に就く。

帰宅すると,娘が晩ご飯を準備していた。本人はすでに一人で食べたとのこと。妻は残業で遅くなるとの連絡。で,俺一人で娘の作った肉じゃが,ししゃも焼,わかめのみそ汁をいただく。俺が食っている最中に,飼い猫が盛大にウンチを放り出して猫トイレの内側を脚でガリガリ引っ掻き回す。「知ってたよ」と言って,ウンチとオシッコのおしめとを始末して,俺は再びししゃもに齧り付く。「朴大統領,一五日にも事情聴取」との朝日夕刊に目を通す。なんで大統領ともあろうお方が検察なんぞに頭を垂れるのか! 自分の行動を信じない奴ら,自分の言うことを聞かぬ奴らは,片っ端から粛正してしまえばよいのだ。裏切り者には死を!だ。俺が韓国大統領ならそうする。「お父さん,ストレス溜ってない?」— 皿を洗いながらポツンと娘がひとこと。

あー。娘の肉じゃがはうまかった。今宵は満月。しかも特大らしい。しかし陰にして朧なり。「なんでこんなに要るんかな」と訝しみながら,咳を和らげる薬,アレルギーを緩和する薬,気管支炎の薬,鼻水を抑制する薬,感染症を抑える薬を,次々と服用した。