円安 1 ドル 120 円台突破

昨年 5 月に 1 ドル 100 円を越える円安になったときもびっくりしたが,日銀・黒田バズーカ2でまたまた円安に拍車がかかり,今日 8 日,19 時過ぎの外国為替市場では 121 円 13 銭である。4 年前,2011 年 9 月に 76 円台までになった円高が,いまや 121 円。3 年と少しで,なんと 63% の値崩れである。リーマンショック前の水準に戻ったという人もいるが,この急激な円安はふざけている。

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2014/12/08 19:00 時点 Yahoo! ファイナンスより

これを受けて日経平均株価が一時 1 万 8 千円台になるまでに上がっている。が,一方で,この急速な円安で国内企業は悲鳴を上げている。円安倒産ということもしょっちゅう聞かれるようになった。消費増税で購買意欲が減って,かつ輸入品原価がハネ上がっているので,この成り行きは当然ではなかろうか。一般の景気の感触は株価上昇とまったく連動していない。いったいなんなんだ?

要するに,円安に応じて海外投資家が日本株を買いあさって高値が付いているだけで,日本経済が活性化して投資を呼んでいるのではないようである。投機の対象に過ぎないように思われる。つまりマネーゲーム。となると,円の乱高下でいつでも株価が暴落する可能性があるわけだ。

株を持っている人はウハウハかも知れないが,フツーの一般市民にはまったく恩恵がない。大企業が輸出増大の為替差額と,株式投資で儲けているだけなのだ。政府は企業に対して社員の給与に還元せよと言っているが,そんなこと企業が決める話しで,なにマヌケなことをというのかと呆れる。オレは,ありがたいことに,大企業に勤めるパンピー・リーマンなんで — 自分の仕事と業績に大きな変化がないのにもかかわらず — 少しはボーナスが(月給は変わらんが)増えるのかと徒な期待感もないわけではないが,中小企業に勤める方々には,いまや円安は死活問題ではなかろうか?

これがアベノミクスか? 働いたらそれだけ収入が増えると思って一所懸命に働く人々を,バカにしている。生産・労働の成果に見合った実質的報酬が得られる世の中にしてくれよ。なのに,14 日の衆院選では与党圧勝が噂されている。ま,民主党をはじめ野党がどうしようもないやつらばかりだからだろうけど,わけわからん。安倍政権が長期安定政権となり,政策実行が堅実になって,株価・為替が安定するまで,ガマンということなのだろうか?(仮に与党が圧勝しても,消費税 10% を先送りにした安倍さんは,ちょっと財務省を敵に廻した感があり,もしかすると官僚のどす黒い奸計に嵌められ,そのうち,総理の座を引きずり降ろされるかも知れないけど)

一句でけた。孤独死と手水に紛る臘八会(らふはつゑ)。