本日の一冊。グレゴリー・サティア,ダウグ・ブラウン著『C++ プログラミング入門』オライリージャパン刊。
フレンドクラス — これについて,多くの文献書籍は,C++ 語(language)を使えば友人(friend)は他人の私的(private)な部分に踏み込む(access)ことが許されるのだと指摘しています。本書では,そのような言説は慎みたいと思います。
グレゴリー・サティア,ダウグ・ブラウン著『C++ プログラミング入門』
望月康司 監訳,谷口功 訳,オライリージャパン,1996 年,51 頁。
望月康司 監訳,谷口功 訳,オライリージャパン,1996 年,51 頁。
コンピュータの仕様を現実世界に投影してしまう愚かさについて,さりげなく語るところが面白い。私はこういうコンピュータ技術者が好きである。
class IntStack { friend class IntStackIter; // フレンド宣言 public: void setIter(IntStack *stack); // ... private: IntStack *iterStack; // ... };
もちろん,本書はプログラミング言語の解説本である。200 頁強しかない薄い本である。すぐ読破できそうに見え,初心者を誘惑する。しかしながら,本書は「入門書」と題されているとはいえ,プログラミングのズブの素人にはお勧めできない。C 言語を理解しそれなりに C コードを書いた経験のあるプログラマのための C++ プライマーであって,C にない C++ の特徴の解説に注力した本である。はっきり言って,書かれてある内容は,タイトルにそぐわないくらい,かなり難しい。
私が本書で C++ を勉強したのはもう二十年近く前である。手元にある版は 1996 年の第一版である。いまは第二版新版が出ているので,そちらのリンクを設置しておく。