沖縄県知事選挙

<沖縄知事選>翁長氏が当確 辺野古反対派,安倍政権に打撃」(11.16 毎日新聞配信)。ホント,大打撃である。

もう辺野古移設は,少なくとも向こう四年間は,事実上,不可能になった。これは沖縄県民の民意に基づく当然の帰結であって,政府が前知事に無理強いした埋め立て承認を楯に,辺野古移設を強行し,選挙で勝利した反対派と衝突が起こり,けが人などが出たりなんかしようものなら,最悪の事態になるかも知れない。

沖縄県の民意というものがどのようなものなのか,想像すらできない「大和人」は,なぜここまで沖縄県民が怒っているのか理解できず,日米安保体制を阻害する沖縄県民に対して安全保障上の鼻つまみ者みたいな捉え方しかできない(翁長氏ほかの辺野古移設反対派候補をヘイトスピーチで中傷する,沖縄県民でもないヒマな内地人が大勢いたそうである。皇国民として恥を知れ,である)。相互理解のまったく進まないこんな状況では,沖縄独立の風潮に拍車がかかって,それこそ国家分裂の危機すら起こりかねない。沖縄独立なんてありえないと思っている人がいるが,最近の沖縄県民の目の据わり方をみると,米軍基地問題の始末の可能性として排除できない事態になっている。中国がこれにへんな関わりをしてくると,ホント,尖閣どころでない火種になる可能性もある。最悪の事態とはこういうことである。

かつて宇宙人・民主党の鳩山総理が主張したとおり,「最低でも県外移設」というのが日米双方の落としどころとして理にかなった構想だったのだが,沖縄県以外の自治体の強硬な反対の前に,これは挫折した(唯一,当時の橋下大阪府知事が関空に米軍基地を招致する案を打ち上げたのに,政府は無視した)。鳩山首相が鹿児島県・徳之島に普天間代替基地移設を画策したとき,辺野古移設を支持する自民党の元閣僚・小池百合子なぞは「徳之島の美しい海を壊していいのか!」と反対運動の気勢を上げた。要するに,小池百合子は,本人の意図は別として,沖縄の海なら壊してもかまわない,という立場だったわけだ。こういう無意識的感覚は沖縄県民の非差別意識をいかに高めたことだろう。その意味で小池百合子は国家分断を暗に助長した国賊と言ってもよい。

つまり,あちらをたてればこちらがたたずの国内事情のもとに米軍基地が路頭に迷うのだから,これは日本国民の総意に基づいて米軍基地が忌避されているわけである。当たり前だ。私は東京都日野市に出張に行ったとき,米軍輸送機が空を飛ぶのに出くわしたが,その爆音に辟易した(横田飛行場の発着だろう)。軍用機の騒音はそういうものなんだろう。沖縄県民は日常茶飯事であの騒音に苛立たされていることになる。そりゃたまらんわ。

政府はどうするんでしょうか。またぞろカネで解決しようなんて行動に出たら,それこそ終わっている。沖縄県民を逆なでするだけである。安倍さん,米国の圧力でまたもやポックリ辞任なんてこと,やめてくださいね。