昨日午過ぎに,横浜みなとみらいの顧客システムがダウン。保守員に連絡するよう顧客に依頼し(われわれシステムエンジニアは保守員ではない),営業担当に一報を入れ,主任と担当者を連れて現地に急行した。先月のシステム変更が原因か。憂鬱になる。う,三連休はなしか。覚悟する。
一時間ほどして,マシン室の主任から連絡が入る。サーバのネットワークカードの故障が原因で,いま保守員が部品交換を手配中とのこと。ネットワークカードならすぐ調達可能なはずだ。ほっとした。金物(ハードウェア)が壊れるのはしようがない。あらかじめ顧客ともども肚を括っているリスクである。ソフトウェアのバグ,システムコンフィギュレーション設定の誤り,手順書にないオペレーションミスがダウンの原因となると,この順に事態が深刻になり,対策完了だけでなく再発防止策が明確になるまでの間,顧客の用意した針の筵に座らさせられることになる。人間的誤りがシステム障害におけるもっとも忌むべき問題だからである。対応を誤ると損賠にまで発展しかねない。
部品交換ののちシステムを再起動し,サービスは復旧した。顧客もハード障害と知って「しようがないですね」と涼しい顔をしていた。「次はハードを二重化しましょうよ!」と私。提案時に顧客から二重化を蹴られているので,これは顧客にはイヤミに聞こえたかも知れない。
夜九時過ぎ,顧客ビルを出て,子分と中華料理を食った。野毛商店街を歩いていると,どこからか,「恋の呪文は,スキトキメキトキス...」なんて歌声が聞こえて来た。学生のころ流行った歌である。伊藤さやか。おそらく私にしかわからないはずで,かつて SPEED の女の子たちがよく口にした「あたしたち生まれてませーん」みたいなからかいを受けかねないので,子分には黙っていた。
この日は旧暦八月十五日。伊藤さやか,清かな満月。一点の曇りもない中秋の名月。「月はくまなきをみるものかは」という兼行『徒然草』の言を思い出しながら,帰路についた。
ターンテーブルの上が好き