記録の年

鶺鴒鳴く白露の候。昨夜は台風一過,蟋蟀の声繁き秋らしい涼しさだった。今宵も同じ。ほんに,暑さ寒さも彼岸まで。夏も終わりか。

プロ野球,ヤクルトのウラディミール・バレンティン選手が王貞治のシーズン本塁打記録 55 を塗り替えた。なんと 49 年ぶりとのこと。凄い。おめでとう,なんである。

かつてローズやバースなどの外国人選手がこの記録更新に挑んだとき,相手投手から四球攻めに遇い,果たせなかった。当時このセコい手を使ったのは王監督率いるジャイアンツだったわけで,「王さんもケツの穴小せぇな」というのが当時の少年 Y の思いだった。夢を与えるプロ野球,じつはセコい野郎集団のツバ競り合いなのか,という苦い思いだった。「敬遠はルールに則っているのでフェアだ」みたいなアホなことすら言われていたようにも思う。バレンティンの場合,八月の早いうちから記録更新は時間の問題になり,九月のこの時期,CS 進出を賭けた真剣勝負が繰り広げられているなかで,かつてのセコい,醜い日本人気質を見せつけられずにすんで,なによりだった。

マー君も連勝記録を更新中,イチローも 4000 本安打を達成。今年はかつてないプロ野球記録の年ではないでしょうか。