盛夏・スポーツ観戦三昧

先週は妻と娘が岩手の実家に里帰り。夏期休暇の日程が合わない私と息子は家でお留守番。お休みには,午は高校野球,夜はプロ野球,J リーグ及び日本代表のサッカー,と,ま,終日テレビばかり観ております。

阪神 VS ヤクルトの 2-1 で阪神がサヨナラ勝ちした試合には痺れました。エラーの少ない投手戦。緊迫した雰囲気のなかで数少ないチャンスをモノにしたほうが勝つ,こういう試合こそが,プロフェショナルに相応しい。それに引き換え,4 失点で惨敗したサッカー日本代表のウルグアイ戦。守備を軽んじる本田選手の試合後のコメントを聞いて,残念に思った。本田選手にとってサッカーとは,どうやら,ゴールした人間だけが目立てばよく,ゴールを上げた人間だけがその功績でフェラーリに乗ることができる,そういう個人競技のようである。

概して,チームスポーツというのは点を取るより取らせないことのほうが遥かに容易なようにできている。野球のバッターは一流でも三割しか安打を打てない。七割は有象無象の投手に抑え込まれる。一流の投手にかかるや否やもうまったく打てない。球団は財源の少なくとも七割を投手に割くべきなのである。強打者は三人もおればよく,あとは打てなくても守備の確かなプロフェショナルで充分である。高校野球で,あれほどの打棒を誇る大阪桐蔭や横浜高校が,ちょっといい投手を相手にするとまったくおとなしくなってしまうのは,そのようにできているからである。阪神が優勝できないのは,福留とか,西岡とか,最盛期を過ぎた打者に財源を投入する人気優先経営にあるのではないか? 今年の阪神が好調なのは投手陣が安定しているからこそなのである。でも,いま中継ぎ・抑えで頑張っている安藤,福原のベテラン投手が年齢ゆえの疲れで調子を崩したとき,昨年までのいつもの阪神に戻るはずである。

サッカーでも,放ったシュートの何本が,ゴール前のフリーキックの何割がゴールに結びつくか。おそらく二割,否,一割以下のはずである。ゴールさせないほうが,守るほうが,圧倒的に成功率が高い。ここで攻撃力の高い強豪チームと対戦する場合,より成功率が高いはずの守備を疎かにして,取られたらそれ以上に取ればよいと根拠なく豪語する自信家見ると,失笑してしまう次第である。ただでさえ日本人は,スピードも,プレーの精度も,外国人よりも劣り,よって得点能力が低いのだから。どうせ能力が低いのなら,成功率の高い守備に重きをおくべきなのだ。弱者が強豪を相手にするとき,とにかく成功率の高い守備に徹して失点を防ぎ,「あわよくば」カウンターで点を挙げて「運良く」勝つ。弱者の闘い方の醍醐味はここにあるのだ。4 点取られたら 5 点取ればよい? じゃ,取って見せてくれよ。ブラジル,アルゼンチン,ドイツを相手に弱小日本代表が 5 点取れるなんて,宝くじ一等が当たるよりも望みが薄い。

と,惨敗の怒りに駆られて,勝手な評定に走ってしまったウルグアイ戦でした。残念な結果だった。でも,素人臭い愚痴をこぼしたわけだけど,なんだかんだ言って,強豪ウルグアイ相手に 2 点取ったところはよかった。日本が先制していたら,試合運びも慎重になっただろうから,結果も変わっていたようにも思う。また九月に親善試合が予定されているので,楽しみである。