昨日の夜,NHK-BS で 2014 FIFA ワールドカップ・アジア最終予選・韓国 VS イランの試合を観戦した。結果は 0-1 でイランが勝利し,韓国も得失点差でかろうじて二位を確保し,両国ともにブラジル行きを決めた。両国の代表選手,サポーターには,おめでとうと言いたい。
韓国はほぼ通過を決めて余裕ある一方,イランはこの試合に破れると三位転落の危機。前回対戦ではホームのイランが韓国を下しており,その際の韓国代表監督の「アウエーで酷い扱いを受けた」との負け惜しみコメントに端を発して,両国間の挑発がヒートアップしていたこともあり,この韓国ホームの対戦は敵愾心むき出しの泥仕合になるんではないかと私は心配していた。幸いにも試合中は,両国ともに汚いガサツなプレーはあまり目立たなかったと思う。スポーツなんだからこうでなくてはと観ていた。ところがイランの勝利で終わり,イラン選手が国旗を掲げてビクトリーランをはじめたり,イラン代表監督が挑発的所作を見せたりで,試合後に韓国サポーターの怒りで赤一色の場内がメラメラ燃え上がったように騒然となり,ペットボトルがピッチに投げ込まれたりした。韓国サポーターは,試合の結果は別としても,なぜに予選突破を果たした自国代表選手を祝福しないのか,なぜに勝利した相手チームの当然の戦捷ムードにことさら苛立たないとならないのか。アジアですな。
試合そのものは韓国が圧倒的強さで攻め込み,ボール・ポゼッションでもシュート数でも CK 数でも,韓国の一方的試合の様相を呈していた。またイランの選手のヘタクソなことよ。なのに。韓国は攻めまくってもゴール前でどっちらけ。十四本のシュートを放ちながら,イランの必死の守備にことごとく跳ね返され,結局ノーゴール。韓国の左サイドのヘボなミス,一瞬の隙を突かれて,韓国はイランのたった一本のシュートで沈んでしまった。あれ,こんな風景どこかで見たな。いや,見飽きているといってもよい。そうそう,決定力の決定的不足をグダグダあげつらわれるわが日本代表が,よくやる試合の風景である。
韓国サッカー,ホントお笑いでした。こんな試合運びでイランに負けちゃあな。筋骨隆々の怖い顔をしたヤクザなアキレスが,隙を見せた一瞬で足首を突かれて弱者に倒される様を見たようで,悲哀というより,諧謔を感じた。わが国と同じような決定力云々の問題もあるが,私の個人的感想としては,韓国の,ロングボールを蹴り込んで競り合ってゴールを狙う,あの,フィジカル偏重のパワープレー一辺倒のつまらないサッカーがなによりのお笑いである。
韓国 VS イラン戦では,韓国代表選手にも,そのサポーターにも,喜劇的サッカーを見せてもらいました。うん,わが日本代表のほうが韓国,オーストラリアなんかより遥かに質の高く面白いサッカーをしてくれることが,ありありとわかりました。われらが日本代表をプライドをもって応援しましょう。