6 月 4 日,埼玉スタジアムで行われた日本 VS オーストラリアの試合で,日本代表は見事ワールドカップ出場を決めた。試合自体はつまらないものだったが,なんとか引き分けに持ち込んでくれた。遠藤選手の PK が失敗に終わりヨルダンに敗戦した記憶が生々しかっただけに,本田選手がゴールのド真ん中に PK を決めたときはほっとした。
オーストラリアは弱いという印象はまったくないのだが,ここ最近の試合を観るにつけ,サッカーの質において日本に大きく差を付けられたという感が否めない。ロングボールをペネルティエリア付近に蹴り込んでフィジカル頼みでこぼれ球を奪ってゴールを決める — このワンパターンを,このつまらないサッカーを,ここ何年やり続けていることか。選手は見知ったツラばかりの高齢軍団。ホント,つまらないサッカー。それでいつもやられる日本はいかに相手に舐められているかがわかる。そして,こんなワンパターンにいつもやられているからこそ,日本も成長しないなという悔しさが残ってしまうんである。でも,今回はそのパワープレーに日本はうまく対処できていたと思う。内田,今野,吉田の体を張った守備に惚れ惚れした。
ニュースでもちらほら書かれていたが,後半三十分過ぎの選手交代は「?」に尽きた。フォワード・前田選手に代わってディフェンダー・栗原選手が投入された。栗原選手は不用意にファールを与える悪いクセがあるし,いったいどういうフォーメーションになるのか想像できなかったこともあり,イヤな予感がした。引き分け狙いか? まさか5バックじゃねぇだろ。守りに入るのであればボランチと4バックの間に細貝,高橋あたりでアンカーを置くか,疲れが見えはじめてプレーが雑になっていた内田選手を酒井高徳あるいは宏樹のどちらかに交代するか,とも思ったが,そうではなく栗原選手の投入で長友選手が前に出て3バックっぽくなったようにも見え,「ディフェンダー入れて攻撃的にするってか?」と大いなる違和感を覚えた。とたんに,それまで体を張って素晴らしい守備をしていた内田君の疲労ゆえの雑なプレーで,相手左サイドにブチ抜かれ,ヘボいクロスを上げられ — 元気な栗原,何やってんだ!—,ヘボいゆえにゴールに吸い込まれた失点。不運としか見えない失点だったが,なんか後味が悪い。ザックの采配,素人の私にはよくわかりません。選手が理解できていないだけかも知れない。
失点してから眼の色の変った日本チームの猛攻は見応えがあった。それが PK を呼んだともいえる。もっと早いうちからこういう迫力・威圧感に溢れたプレーをやれよと,半ば呆れるやら,半ば頼もしいやらで,こいつらまだまだ進化するなぁと思わせてくれた。予選は結果がすべて。ブラジルへのチケットを手に入れたのだから,ザッケローニ監督は雇われた目的の第一関門をクリアしてくれた。2011 アジアカップ制覇とともに,本当によくやったと思う。五大会連続でワールドカップ本大会に出場できるのは,生半可なことではない。ネットでザッケローニ監督を非難するバカが多いが,結果だけみるとこれまでになく余裕しゃくしゃくで突破を果たし,結果を出していることをもっともっと評価すべきなのだ。
今月は予選の消化試合,コンフェデレーションズカップ,来月は東アジア選手権,とサッカーファンにとって楽しみがワンサカある。これから一年は本大会に向けた準備である。ああ,またあのワールドカップの興奮のなかに日本人がいることになるんだと思うと,いまからホントわくわくする。「日本代表選手,ザック監督,おめでとう,そして,ありがとう!」なんである。われらがナショナルチームを応援しましょう。