4 月 28 日，政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が催された — 朝日新聞デジタル記事「首相『希望と決意の日』主権回復式典、沖縄では抗議も」。こんな式典を政府主催でやる愚か。天皇・皇后両陛下までお招きして，なんたることか。国賊のやることである。そんな「美しい日本」なら，—「美しくない日本」だけが生き残って — 滅びたほうがよい。
サンフランシスコ講和条約発効の日は沖縄県民にとって日本から切り離された「屈辱の日」である。国民全体でお祝いすべきことがらではないのは瞭らかなのだ。それがどういうことかわからないし，想像力も欠如した人たち — アベ先生とその取り巻き，霞ヶ関の官僚，「沖縄県知事は非国民だ」と叩いているバカネット住民。他人の痛みを理解しようとしないこうした人たちが国民のほとんどを占めているいまの日本国。吐気がする。
沖縄県民は，普天間をはじめとする米軍基地問題への日本政府・他県の対応に，いい加減イヤ気がさしているはずである。琉球日報などのネット社説を読むと「沖縄は差別されている」とまで書かれている。自分が「差別」されているという認識は，どれほど厳しいものか。国土において数パーセントに過ぎない沖縄県に在日米軍基地の大半が集結していて，他県に移設・分散しようにもその県が猛反対する。「いまのままでよいではないか，沖縄に押し付けておればよい」というのがホンネ。沖縄防衛局長は「ヤル前にヤルと言いますか」なぞと低級・低俗・非人間的な喩えで辺野古移設を語る。そして，ここへ来て「屈辱の日」をお祝いされる。しかも陛下もご臨席と来た。
もう沖縄県民は，自分が日本国の一員として扱われているのかも疑問に感じているに違いない。こんないじめ根性の国って一体なんなんだ，と。沖縄県民に独立への機運が起こってもおかしくない事態である。沖縄が独立したらどうなるか。米軍基地は「すべて日本国に撤収」となるが，日本国内で米軍基地を招致する県があるはずもなく，米軍は悦んでグアムに行ってしまう。現在の日米安全保障の「抑止力」は沖縄に集中しているので，日米同盟も骨抜きになり，中国も大喜び。中国は真っ先に新琉球国を承認し，新琉球国は，かつてと同じように朝貢外交に訴え，中国と仲良くすることで経済的にいまより豊かになり，安全保障でも安泰となる。中国は，米軍基地の跡地の極々一部に，新琉球国民にとっていまの米軍基地と比較にならないくらいの小さい迷惑しかない静かなミサイル基地（一応，核弾頭は搭載していませんと公言しておく）を新琉球国に設置する。尖閣諸島はいま沖縄県なんだから当然新琉球国の管轄になり，新琉球国は，中国と安全保障・経済協力関係を築くために，きちんと文書を交わして，国際法上も堂々と中国に割譲することになる。
このまま沖縄を「差別」していると，思うに，中国や北朝鮮なんかの外圧によらず，日本は内部から崩壊する。だから，主権回復式典などを企てた奴らを，日本国民を分断する国賊だと思うのである。