野田さん再選

民主党代表選挙で現代表・野田さんが他を圧倒して再選された。

現在の民主党政権は評価が思わしくない。これはしようがない。日本経済がダメダメなので,貧すればなんとやらで,現状の不甲斐なさの責任を「政治が悪い!」と政府に押し付けたくもなる。人情というもの。しかし,日本経済の低迷は政治的手腕ですぐに解決できるレベルではない。頭が利権構造の自民党なら,もっと酷かったと私は思う。政権交代は起こるべくして起こった,ということがわからない人が多すぎる。民主党がダメだからやっぱり自民党?— 安易すぎる。そういうのは年寄りだけに言わせておけ。菅総理が無能だっただけで,民主党の政策自体は経済においても,外交においても,自民党よりもずっとまともである。

野田政権は,このネジレ国会にあって,懸案をひとつひとつ解決する手腕において,これまでの政権にはない実行力を見せつけた。消費税増税など,ネジレ国会ではまず絶対に可決は無理だと思われた難しい法案を,連立を組むこともせずに成立させた。財界から厳しい圧力を受けながら,前進/後退をしつつも,「脱原発」を目指すことにおいて態度をはっきりさせた。やっていることすべてに感心しているわけではないが,この実行力は大いに評価してよい。野田さんは,ここ二十年くらいのうちで,もっともマトモな首相の一人だと思う。だから野田さん再選を私は支持する(昨年 8 末の代表選のときは,海江田さんと野田さんとにだけは絶対に首相になってほしくないと思っていたのに...)。

2012 年は米国,ロシア,中国,韓国,北朝鮮など日本が影響を受けやすい国々で首脳が交代する危険な年。実際,震災で疲弊した日本を中国,韓国が国内の人気取りのために食い物にしているのはご覧の通りである。ここで政権がゴタゴタすれば,危険がさらに増すのは間違いない。野田政権を次の選挙まで,「近いうち」の来年8月まで,引っ張るのがよい。

いま日本に必要なのは,政権が安定することだろう。とにかく,安倍晋三(いまだに懲りない人),福田康夫,鳩山由紀夫みたいなポックリ宰相だけは二度と御免である。