KARA ダカラー

『KARA』,竹島問題質問に『沈黙』韓国メディアから批判浴びる」だそうである。今般の領土紛争の煽りを受け,日本で人気の韓国のスターたちが,いま自国で愛国心を試されているらしい。

KARA は日本でも人気のグループ。彼女たちは,日本のファンへの気遣いからか,韓国メディアによる竹島領有権に関する意地悪な質問に言葉を濁したために,バッシングを受けたわけだ。ホント,可哀想である。韓国マスコミのレベルはこの程度なんである。でも,KARA の女の子たちは堂々と「KARA ダカラー,竹島(独島)は韓国領土だと思うよ!」と言えばよいのだ。生きて行くために自国の世論に迎合するのを恥じることはない。韓国の政治プロパガンダに積極的に関っていない限り,そんなことで失望する日本のファンはそう多くないと思う。楽しいこと,美しいことは,国を越えて共有すべきものなのだ。

日本人なら「竹島は日本固有の領土」だと考えるだろうし,韓国人ならその逆なのは当たり前である。市民レベルで相手の愛国心まで否定するのは意味がない。そして相手国の文化まで否定しても,よいことは何もない。日本政府には,韓国政府に対する政治的制裁をどんどんやってもらいたい。けれどもエンターテーメントまで禁止ないし排斥というのは,大人げないのでやめてもらいたい(自民党代議士の一部にそんな要求をするバカがいるらしい)。文化・学芸・エンターテーメントに政治色を持ち込むのは,その国の文化レベルが知れるというものだ。日本政府は韓国よりずっと「大人」なので,私はあんまり心配していませんが。独ソ戦でドイツに自国民を大量に殺されていた最中でも,空襲警報が鳴る最中でも,ロシア人はコンサートに足を運びバッハやベートーヴェンのドイツ音楽に感動していた。 スターリニズムが吹き荒れたソヴィエトでもそうだったのである。この点で,思うに,当時のソ連は,敵性文化を完全排斥していた軍国主義的日本に比べ,国民一般の文化レベルは遥かに高かった。

中国のネットでは尖閣諸島問題で反日の呼び声が高かったわけだが,サッカー AFC アジア・チャンピオンズ・リーグの試合で中国サポーターが「尖閣諸島は我々のモノ! 蒼井そらはみんなのモノ!」なる中国語と日本語のメッセージを掲げて話題になった。蒼井そらは日本の元AV女優で,中国で大いなる人気を獲得しているお色気タレントである。このメッセージには幾分の皮肉も読み取れるけれども,政治とエンターテーメントを切り離す心意気は充分に伝わって来る(サッカーはエンターテーメントではないらしい。スポーツを政治色に染める中国人はそうは言ってもアジア的 vulgar の気が大いにある)。この KARA バッシング報道をみる限り,韓国は中国に比べずっと文化レベルが低い。植民地根性なんだろうね。芸能人に政治的意見を求めるのは,結婚式の席上で新婦の処女喪失の相手について質問するのと同じくらい,品性下劣である。吐気がする。やめてもらいたい。

政治と文化は切り離して考えたい。いまのこの状況じゃ,そんなの甘いと言われるかも知れないけれど。日本の AKB48 も韓国の KARA も大好き。だってどっちもカワイイじゃん。そのどこが悪いのか。