オオオオ

オオオオ,オマーンにはやっぱり勝ちました。しかも三発無失点の完勝。自宅のグリーンカーテンにゴーヤや朝顔を植えたあと,ご飯と一緒に麦酒を飲みながら,家族で NHK-BS の中継を観戦した。おまあんにブチこんでやれ,なんて下品なことを子供の前で喚きながら観てしまいました。サッカー・ワールドカップ関連の試合は何はさておき楽しみでなりません。さ,次の相手は昼でもヨルダン。また吉田くんが目立ってくれるかも。

それはさておき。U-23 五輪代表がフランスで腰の退けた情けない(そう,「情けない」という形容の相応しい,最低の)試合をきちんとやってくれた(三試合で 7 失点なんて,まるで野球である)。おかげさまで,いよいよオーバーエイジ招集が現実的になりそうである。「雑草」は残念ながらアジアの弱小国にしか通用しないという現実にいまごろ気付くのも何だけど,これこそがフランス遠征の最大の収穫である(というか「雑草」というよりも,ちょっと寒風にさらされるとトタンに枯れてしまう温室育ちぶりばかりが目立った。雑草みたいな必死のパッチのプレーをしてくれたのなら,こんなに頭に来ない)。守備陣にオーバーエイジを三枚揃えられるなら,あの,CB 約 1 名,左 SB 約 1 名,ボランチ約 1 名の「穴」が埋められる。そうなれば「闘える」メンバーがようやく,やっと,揃えられると信ずる。

ま,彼ら CB 約 1 名,左 SB 約 1 名,ボランチ約 1 名だって五輪代表としてアジア予選突破に咬んでいたんだから,「いままでありがとう」である。感謝こそすれ,— いろいろ煮えくり返る思いのあるサッカー・ファンは多かろうが — 叩くのはやめよう。しかし,五輪本戦に向けては,これら J リーグでも出場機会のない選手たちにはクラブでのレギュラー争いにお戻りいただいて,日本サッカー協会・関塚監督には,政治力でも金でも脅しでも何でも使って,勝つための,悔いのない最高の布陣を再構成してほしい。
 

6.5 付記

6.5 の朝日新聞に,五輪で日本と対戦するスペインとモロッコの代表監督のインタビュー記事が掲載されていた。両国とも日本戦に向け自信満々。当然でしょう。驚いたのは「あの」ワールドカップ優勝国スペインですらオーバーエイジ招集を当然のように考えている点だった。なのに,わが国では「オーバーエイジを使うか使わないか」の議論にこれまで始終して来たのである。また一方で,ブラジルなんて天才ネイマールを A 代表,五輪代表ともに招集することを当然のように考えている。

なのに日本のファンの曰く「香川は A 代表に専念させろ」。あの温室育ちの五輪代表を抱える日本は「強豪国」だろうか? 経済をはじめとする国力は実質的に大いに低下しているのに,何故かヘンな「余裕」のある現在の日本を象徴しているような話である。放射能汚染で海外の人々からは忌避されているのに,いまだに「国産品」神話に何の疑問ももたない国民性。崖っぷちに立たされているのに崖が目に入らない性格。「余裕」の実体はそのようなものである。

サッカー「専門家」— 俺たち素人には見えないものが見えているはずの人たち — はこういう日本サッカー事情を何故もっと批判しないのだろうか。ワールドカップであれ五輪であれ,国際的一大イベントで結果を残すことがその国への注目度,サッカーへの関心を高めるだけでなく国民皆に勇気と元気を与えるのを,なでしこが見せてくれたばかりなのに。

A 代表はオマーンに快勝したんだけど,この結果は言わば当たり前。FIFA ランキング 30 位が 90 何位かに敗れるなんてことになったらそれこそお笑いじゃないか。だから何でこんなにお祭り騒ぎなのか私にはよくわからない。ま,先制点を取ってからは,内田くんと酒井くんの右サイドの隠れたレギュラー争いが私のもうひとつの見所だった。予想通り酒井くんが途中出場した。結果的に,やっぱり酒井のほうが上だと確信した。

内田くんの攻撃でのパフォーマンスは決して悪くなかった(いやむしろこれまででいちばんよい部類だった)。しかし。彼が相手左サイドと競って倒され抜き去られたとき,審判が笛を吹いてもいないのにファールをアピールして相手を追うのを止めたシーンは,DF として終わっている。DF が最終ライン付近の守備で抜かれたら致命的なのがわからないらしい。こういうのを見せつけられると私なんかは — 素人だからなのか — 頭に来るのである。私ならこのようなサボリを見つけたらその選手は二度と使わない。内田くんのこのプレーにはそれくらい頭に来た。日本代表だぞ! 内田選手は,2010 年ワールドカップ本戦で岡田さんに何故レギュラーを外されたのか,まだ自分のなかで整理がついていないようである。そのマイペースのヌルい守備意識と諦めの早さが原因なのだ。

フィジカル,セットプレーでの高さ,クロスの精度,すなわち攻撃力,守備力すべてにおいて酒井が上(ウッチーの魅力はスピードか)。今回,内田くんが先発したのは,ザッケローニ監督がアジアカップの縁起担ぎをしたのだと私は勝手に思っている(もとよりザッケローニさんは海外組が好きで,J リーグの現得点王・佐藤寿人より,セリエ A ブランドを有する森本を招集したがるようなところがある。森本招集には私も賛成だけど)。内田タイプの選手が活躍できるか否かは,体格で劣る日本人フットボーラーがどれだけ世界に通用するかのよいモデルになると思われ,それだけに若い内田選手には期待しているのに。せっかくドイツの一流クラブに行っただけに,もう少ししたたかさを見せてほしいものである。そのセンスは充分もち合わせているのだから。