2012 成人式

今日は成人の日。ウチの息子も成人式を迎えた。朝,着て行くシャツのボタンがない,このシャツじゃねぇ,などとドタバタ大騒ぎして出かけて行った。高校時代の同級会でいま呑みながら大騒ぎしているはずである。

二十年。あっと言う間であった。12 月 23 日に息子が生まれ妻の実家からひとり自宅に戻った翌日の朝,朝日の朝刊の一面にデカデカと「ソ連邦崩壊」の記事が出た。自分の子供の誕生とともにある時代が終焉を迎えたことが恐ろしい暗合のように思われた。この新聞は取っておこうとしまい込んでおいた。その後,ロシアは「自由」と引き換えに経済がガタガタになりマフィヤが国を牛耳るようになり,日本もほどなくバブル経済が崩壊し,出口のない構造不況に見舞われ,銀行がつぶれる時代になった。揺るぎない自民党政権がこのころからおかしくなり,連立政権の駆け引きから,社会党委員長・村山富市なんかが総理大臣に指名されるなどというわけのわからぬ時代になった。もちろん,この口先だけの老人には何もできなかった。橋本,小渕,小泉が立て直しを図ったが,日本が斜陽国家であることが 21 世紀になってからいよいよハッキリして来た。

「失われた二十年」。私はこれで良かったとつくづく思う。拝金主義的で軽薄極まりなかった 80 年代的バカ風潮が当然のようにきっちり終わりを告げ,勤勉や真面目さ,公正さといった目立たない美徳が「長らく」定着するようになったから。若い人たちが意地らしく生きるようになった。若者が主役であるスポーツなどでメキメキ日本人が頭角を現すようになったことをみれば,「失われた二十年」の若者がそれ以前の旧日本世代の若者よりも「数段」優れていることがハッキリする。

今日成人式を迎えた息子と同じ新成人は 122 万人。246 万人いた 1970 年の新成人(つまり団塊世代)と比べて半分にも満たないわけだ(See: 総務省統計局・統計トピックス)。狂った 80 年代の主役であった団塊世代よりも,その半分しかいない,今日この日に新成人となった若者のほうが,優秀かつしっかりした考え方をもっている。団塊世代が壊した日本を再生してくれると私は信じている。そのために,オレたちバカ世代を借金のカタに放り出してくれても構わない。
 

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イランの核開発を巡って先の 12 月半ばに米国で制裁法案が成立し,イランと取引する国に対しても金融制裁をすることになった。これは決定的な大事件なのに,日本のマスコミはあんまり騒がなかった。そのあと行方を注視しているが,やっぱり危機感がない。イランはホルムズ海峡を封鎖すると脅し,米国はその際には軍事行動を起こすとまで言っている。一触即発の状況なのである。法案成立で,米国は何でいつも周りを巻き添えにしてくれるのかと思ったんだけど,こうなった以上は米国側に立つのが日本の生きる道である。

日本は石油需要の 10% をイランに頼っているので,玄葉外相は米国の制裁法運用についてお手柔らかになどと暢気なことを言っていた。それでも,いまサウジやらをどさ回りして日本の石油確保のために頑張ってくれているようである。政府のこの行動をマスコミも毎日きちんと報道して,政府の後押しをすべきである。

イランと米国・EU が軍事衝突したら,石油ショックが起こる。中国,ロシア,北朝鮮などイランと仲のよい国との米国・EU の対立はいよいよ激しくなる。もしかすると,米国制裁の煽りで中国バブルも弾けてしまうかも知れない。そうなると日本も経済的打撃で震災復興の泣きっ面に蜂。もはや八方美人ではおれなくなる。
 

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今夜は今年はじめての十五夜である。昨夜とはうって変って快晴の空に綺麗な満月を観ることが出来た。ウチのデジカメじゃまったく月の神秘な味わいが出ないけど,自宅前から一枚納めた。

月天心貧しき町を通りけり(蕪村)
 

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