Shankar - Vision

今日は時雨も冷たい寒い一日だった。世にふるもさらにしぐれのやどりかな(宗祇)。

会社から帰宅して,ちょっと景気付けにインドのシャンカル Shankar のクロスオーバーを聴く。Shankar の 10 弦のステレオフォニックのエレキ・ヴァイオリン,ジャン・ガルバレク Jan Garbarek のサクソフォーン,ペール・ミッケルボルク Palle Mikkelborg のトランペットによる Vision。1984 年に ECM レーベル(ドイツの個性的なレーベルである)から出たアルバムである。

東洋風奏法によるヴァイオリンの伸びやかな,遠い彼方から伝わって来るような響きと,サックス,トランペット,フリューゲルホルン,パーカッションの現代的なリズム・旋律との組合せは,夢幻的軽やかさで一種独特の魅力がある。異国情緒のこれ見よがしのへんな色気のないところがよい。シャンカルのアルバムは,夏の晴れた浜辺でペリエでも飲みながら楽しむのが合っているようにも思われ,この季節にあんまりそぐわないのですけど。
 

Vision
Lakshminarayana Shankar (Vln),
Jan Garbarek (Sax),
Palle Mikkelborg (Tr).
ECM Import (2000-08-01)
 
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昨日,真珠湾攻撃について書いていたら,今日『真珠湾攻撃70年 『ルーズベルトは狂気の男』フーバー元大統領が批判』(産經新聞配信記事)をみた。真珠湾奇襲を予め察知しておきながら(ことほど左様に,当時の帝国陸海軍の暗号技術はヘボで,米国には作戦が筒抜けだったようである),日本に国際法違反の先制攻撃をさせ明らかに国力の低い国を叩く口実にした,という陰謀論はこれまでいろんな評論家が言って来たことである。この記事は元大統領の証言という形でこれを根拠づけるものだといえる。でも,当時の世界情勢からすれば,日米開戦は時間の問題だったし,奇襲攻撃を敢行したことで日本が世界史に汚点を残し,奈落に落ちて行った事実はどうしようもない。

ところでこの記事をみていると,「在米日本資産の凍結など41年7月の経済制裁」といい,「米国から日本への食糧供給」の必要性といい,当時の米国の見方・動き方は,現在の北朝鮮に対するそれそのものである。北朝鮮もそのうち火を噴くってことか? 最近,北朝鮮が米国を射程内に納める ICBM を開発しているというニュースも見た。いよいよ危ないのではないか?