欧州経済危機・ロシア選挙問題

日銀が47億ドル供給…09年5月以来の高水準』(讀賣配信)。いま欧州は,経済危機にさらされ,独仏主導で条約改正しようとしたら,今度は英国が拒否権を盾にして足を引っ張り,と,ユーロという共通通貨を巡って泥沼に嵌り込みつつある。日本銀行はこの状況に対し,欧州金融機関支援に乗り出したというわけである。

2008 年のリーマン・ショックは,1920 年代の世界大恐慌以上の規模であったし,これに匹敵する混乱をもたらすとされ,事実その後各国の経済を狂わせたけれども,1930 年代のような破滅への途とはならなかった。これは G20 各国の協調が経済的信用の維持に大いなる役割を果たしたからだと思う。その過程で UFJ 銀行が米国金融機関を支援するなど,日本も相当な役割を果たしたはずである。

そして今回の欧州支援。おそらくそれでも日本は,リーマン・ショックのときと同様,まったく感謝されないだろう。何故なんだろうか。経済大国だから当たり前ってか? ODA といい,何でこうなるんだろうか。日本政府のやり方が奥床し過ぎるんだろうな。いや,東日本大震災で各国から貰った支援で充分ではなかろうか。
 

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ロシアの下院選挙で与党統一ロシアがかろうじて過半数を獲得したが,選挙に不正があったとしてやり直しを求めるデモが頻発している。米国のクリントン女史までが民主主義云々とちゃちゃを入れはじめるに至って,プーチン首相がメディアを前に例に無く怒りを露にする様をテレビで観た。

過去にいかに政治腐敗があり民主主義の弾圧があったにせよ,いまのこの時代のロシアの選挙制度において,中東諸国のような不正が,クリントンが示唆するような票の書き換えみたいな不正があったとは,すぐには考えにくい。プーチンがはっきりと「デモ誘発を企む米国の内政干渉」だと非難するのは,当然のように思う。しかも,この選挙は欧州第三者機関が介入して選挙管理のなされたものであって,その選管が選挙結果を正当だったと認めているわけだ。

民主党クリントンは来年の大統領選挙を睨んで,「民主主義的いい子ブリッコ」をしているだけに思われる。私がいま心配しているのは,日本政府要人がクリントンの尻馬に乗ってこのロシア下院選挙について証拠も無しに余計なことをしゃべるんじゃないか,ということである。米国の大樹に縋る日本政府はロシアについてはヘンな品のない強がりが得意だからだ。菅直人・元首相なら「事実なら由々しき事」みたいな — こういう仮定を含めた極め付けをするのを「証拠の無い余計な発言」という —,まったく意味のない批判めいたことを口にしたんじゃなかろうか(「不正選挙疑惑」は民主主義者として薄っぺらい正義感を発揮しやすいテーマでもあるし,彼自身人気取りが何より好きな宰相だったから)。もしそうなると,来年プーチンが大統領に返り咲いたとき痛いしっぺ返しを日本は間違いなく食らう。領土問題の進展も期待できなくなる。いま叩いてよいのは軍拡中国政府だけなのだ。男なら,理由なしに余計なことをペラペラしゃべってはならない。さて,野田総理の男を見たいものである。

でもなあ,何でこの騒ぎにメドヴェージェフ大統領じゃなくプーチン首相ばかりが目に付くんだろうか。もうメドヴェージェフはどうでもいいってこと?