プーチン再来

先日のニュースで,ロシアの次期大統領にプーチン現首相が事実上再選されるとの報道があった。

プーチンは親中国派との評判がある。よって,最近,尖閣諸島問題,空母等の軍拡を巡って日本にとって現実的脅威になってしまった中国に対し,いよいよロシアが肩入れするのではないか,つまりプーチンの復活は日本にとってよくない,という人がいる。私はそうは思わない。北方領土問題にしてもかつてのプーチン大統領は,メドヴェージェフみたいな強行・嫌がらせ一点張りの対日外交ではなく,きちんと日本の主張に耳を傾ける度量があった。そしてプーチンは地政学を重視する帝国主義者,裏の裏を知り尽くした諜報の元プロであるからして,ロシアにとっても脅威になりつつある中国を牽制するために,メドヴェージェフ以上に巧みに日本を利用するはずで,その戦略として日本に甘い汁も吸わせなくちゃと考えるはずである。ま,「出る杭は打たれる」なんて堂々と宣う — つまり,典型的島国根性の集団主義にどっぷり浸かった — わが国のドジョウ宰相には,まずこの古狸には太刀打ちできないだろう。利用されるばかりで,甘い汁は吸わせてもらえない可能性が高い。

もうひとつ,私のプーチン期待を支える重要な指標がある。ロシアの権力トップは,レーニン以来,ハゲとフサフサが交代するという面白い暗合がある。それはプーチン再来でまたもや踏襲される。レーニン(ハゲ),スターリン(フサフサ),フルシチョフ(ハゲ),ブレジネフ(フサフサ),チェルネンコ(ハゲ),アンドロポフ(フサフサ),ゴルバチョフ(ハゲ),エリツィン(フサフサ),プーチン(ハゲ),メドヴェージェフ(フサフサ),プーチン(やっぱりハゲ)。そして,ハゲが権力者のとき,日本とロシアの関係が改善されているという歴史的円環がある。日ソ共同宣言(フルシチョフ=ハゲ),冷戦終結(ゴルバチョフ=ハゲ)。フサフサのときはロクなことがないという印象もある。スターリンの対日参戦はその筆頭である。かくして,プーチンの大統領再任で日露関係はよい方向に進むというのが私の確信である。もちろん冗談である。もとより日本は外交無能なのであるからして。