日本人の人口、減る…区別集計開始以来初

日本人の人口、減る…区別集計開始以来初』を讀賣配信の電子ニュースで見た。国勢調査でも確実に日本の人口が減少していることがハッキリしたわけだ。外国人を含めると 2005 年前回よりも微増とのこと。つまり国内の経済活動そのものも外国人依存度が高まっているということ。

この記事では述べられていないけれども,総務省のサイトに掲載されている『平成 22 年国勢調査 — 抽出速報集計結果・要約』を閲覧すると,人口の年齢別内訳推移も集計されている。もう世間でうるさいくらい問題になっている少子・高齢化社会構造は,人口減少に伴って当然ながら加速度的に進行している。調査報告書からその推移グラフだけをちょっとここにいただく。
 

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平成 10 年ころを境に 65 歳以上の人口が 0〜14 歳のそれを逆転し,増分を増やしつつさらに増加傾向にあることがわかる。もっと深刻なことに,15〜64 歳(いわば働くことのできる人々)の人口がこの逆転と同時に減少に転じた。つまり,国際競争力が減る一方の国家体質になったということである。65 歳以上の人口が加速度的に増えて行くモードに入ってすでに 10 年。このグラフの推移を延長すると,あと 30 年もすると,今度は 65 歳以上がそれ以下と同じになるような勢いである。昭和の終わりごろはざっと 8000 万人が 1000 万人の老人を養っている形だったのが,平成 5X 年では 6000 万人が 6000 万人の老人を養わなければならなくなる,つまり,8 人で 1 人だったのが,1 人が 1 人を賄うことになる? 人口減少に歯止めがかからず 0〜14 歳の比率が下がる一方だとすれば,この予測はそれほど間違ってはいないだろう。

いまのオレたちが 80 になる時代にゃ,年金どころではないことがハッキリする。オレたちが積み立てている金はどんどん先食いされてそのころにはすでに残っていやしない。そこで老いぼれたオレたちが尚も年金なんて貰ったら,働く人たちはおそらく過労死するだろう。おまけに,いまの若者はただでさえ就職難でかつワーキングプアに苛まれロクな手取りがない。異性とエッチする余裕すらなく自分が食べて行くだけで汲々としている。当然結婚もできず,子供も産めない。そんな若者が壮年になって,目下彼らに冷たい仕打ちをしている 40〜50 代(いまの 60 代より上の世代はそのころはもうくたばっている)の面倒を見るなんて,どうしたって想像できない。

ウチには二人の金喰い虫のガキがいるけれども,貧乏でもよいからあと二人くらいは生んでおくべきだったかなと,いま切に思っている。子供を増やす政策を政府がいくら施しても,この国勢調査の推移グラフで見る限り子供の増える徴候が「まったく」認められない。もう,すぐにも,日本中が加齢臭と入歯の口臭(泉鏡花の読み過ぎか)で充満しそうだというのに。

こうなると,じゃ国としてどうするか。日本で老後を過ごそうと思う限りにおいて,カネに物言わせて外国から若い労働者を連れて来るしか手だてがないではないか。日本人は自分で子供を増やせない以上,これはバカにでもわかる。実際,在日外国人は増え続けている。なのに,讀賣ニュースに付いた Yahoo! コメントの最上位の意見はどうか —「減ったからといって,移民を受け入れる理由にはしないでほしいものだ」。16:40 のオレたちが必死こいて働いている時間帯の書き込み。つまり,例によって,ヒマな排外主義的バカ・ネット「右翼」である。そしてそれを支持する者たち。「カルデロン親子は出て行け」なんて恥さらしを堂々とやる口だ。こいつら,老いぼれたら,誰にケツを拭いてもらうつもりでいるんかね。こいつらは,「憂国」の「ええカッコしい」(関西ではこの言葉は見せかけだけの能無しに対する最大の侮辱である)に過ぎず,じつは「自分のいま」しか考えていないことが,こういうところからすぐわかるのである。

ああ,定年過ぎたら生命保険が下りるうちにさっさと死にたい。いや,その前に誰かの富を合法的に収奪する手だてを考えるべきか。そのうち中国と戦争がおっぱじまったりして,若い者が国内で働き,社会のお荷物となるオレたちこそが出征して大量死し,これで国内経済の帳尻が合うのか。とまあ,世の中の冷徹な数字を見せつけられるたびに,暗澹とした気分にかられるんである。暗い,暗い。cry, cry... こんな状況を鑑みるにつけ,いまの日本は子供,若者を大事にしなくてはならないとつくづく思う。石油,レアアースどうのこうのどころじゃない。「人間」こそが国家のいちばん大事な資源なのである。