英国ロンドンで暴動

4 日ロンドンで暴動が発生し,バーミンガム,リヴァプールにまで拡大したという。暴徒によって商店が破壊・略奪・放火されるなど大きな被害がでているらしい。産經新聞配信のニュースによれば,「英国では金融・経済危機の後遺症で失業者は245万人を数える。しかし,失業給付など財政支出が切り詰められ,低所得者層に不満がたまっている。その上薬物密売など黒人居住区の治安が悪化し,警察の取り締まりが強化されたことも『黒人を犯罪者扱いしている』として黒人社会と警察の緊張を高めていた」。

こういう見方を聞くと,サッチャー首相以降の新自由主義がこう言う姿で破綻を見た感が強い。2008 年のリーマンショック以降,イギリスでは失業率が跳ね上がり,2011 年現在 7.83% になっている。ちなみに日本は 4.88%(いずれも『世界経済のネタ帳』データによる)。9% 前後で推移している米国も同じ危険因子を抱えているように思われる。日本でも,ワーキングプア問題など若者が厳しい労働環境におかれていて,不満が蓄積されているに違いない。日本では人種問題が起きにくいのであまり差し迫った感じはしないんだけれども。

震災・原発問題で危機的状況にあるというのに,円高が進み株価が下がり,これで「米国債務でデフォルト」なんてことが起きたら,ホント,わが国の経済もアウトになるんじゃなかろうか。
 

付記:

日本でも小売業・派遣業などでは日本人が中国人の安価な労働力に仕事を奪われている状況が露になっていて,中国政府の首を傾げさせる政策への嫌悪感とあいまって,危険なナショナリズムが鬱屈している。中国人をターゲットにした若者の暴動が起きてもおかしくないと私は畏れる。関東大震災で在日朝鮮人大虐殺なぞというおぞましい事件が起きた歴史もある。いまの日本人,むかしの日本人という違いは,この際あんまり関係ないように思う。

高岡蒼甫さんツイッター発言問題も,つまるところ「韓流に視聴率取られて日本人タレントの仕事が減っている,奴らを追い出せ」というプチ反乱であるからこそ,気になる事件なんである。さらに,高岡発言の余波として,「ただの韓国嫌い」たちがフジテレビに押し寄せて「反・売国フジ」のデモをしたというではないか。そしてフジテレビに遊びに来ていた観客を捕まえて「こんなところに来てヒマこいてんじゃねぇ」などと — 己を棚に上げて — 因縁をつけていたというではないか。これ,一歩間違えると喧嘩が起こって暴動に発展してもおかしくない。そう思うのは考え過ぎか。