ワールド杯を制覇したなでしこジャパンが団体としてはじめて国民栄誉賞を受賞した。いや,おめでとうございます。チームとしての受賞ということが国民的団結への希求を象徴している。ここが素晴らしい。
世の中には,これは政権の人気取りだとか,これくらいで受賞できるのはちょっと問題ではないか,とか — 物事の現実的意義を見つめないという意味で — 間抜けなことを言う人もいる。全世界的に国民の血を滾らせるサッカーというスポーツにおいてワールド杯のチャンピオンになるということが,このガラパゴス化日本にとってどれだけ国際的なインパクトを有するのかを,これらの人たちはおそらく考えもしないのだ。この「日本,ワールド杯制覇」という事実,勝っても負けても試合の後で「世界の友人たちに感謝!」という横断幕を掲げた光景が,サッカーの盛んな国で日本への尊敬・好感度をどれだけ高めたことか,測り知れないのである。しかも,東日本大震災後の厳しい国内状況にあって「諦めない心と希望」をタイムリーに,目に見える形で示した偉業は,過去のどのような国民栄誉賞に比べても見劣りはしない。「東日本大震災など大変困難な中に日本国民がいる中で,諦めずに立ち向かう勇気を与えた」と枝野官房長官が語ったのは,政治利用でもなんでもなく,きちんとその意義を認めたからこそである。
これがオリンピック予選に向けて彼女たちにとって余計なプレッシャーの要因となる虞れも否定できないけれども,それはそれ,これはこれで,これからものびのびとプレーして欲しいものである。
自民党の代議士三名が韓国・鬱陵島視察の目的で韓国・金浦空港に到着した際に入国を拒否された。それで日韓両国で罵倒合戦になっている。
韓国政府(あくまで「政府」ですよ)も「バカ」ですね。竹島が自分の領土だと主張するなら,「わが国へようこそ」と言って「入国手続きを通して」堂々と受入れたほうが,「このとおり竹島はなんのこだわりもなく韓国の領土ですよ」という既成事実になるはずなのに。おまけに「日本国の議員の身の安全が憂慮される」なんてホント尋常ならざる愚かな理由を付けて入国拒否をしたことで,「韓国は好ましからざる外国人の身の安全が保証されない危険な国である」と自分の口で言ってしまった形になった。
しかしながら,これを見越して自民党代議士がこの行動に出たのだとしたら,大した胆力である。最近,竹島を巡っては日本国政府ないし議員の姿勢は結構強気である。強気がよいかどうかは状況次第なんだけど,それに対して韓国は上記の通り子供じみた感情的対応をしてしまっていているところを見ると,日本にとってよい方向にあるようである。この「領土問題」に関しては,韓国を怒らせるような行動を涼しい顔で冷静に行う陰険さがとにかく必要だと思う。感情的な対応をすれば韓国が国際的にどう映るかは今回のとおり明白であり,日本の国際的立場をよくすると思う。韓国が軍事力行使をちらつかせたりなんかすれば,国際的に大ニュースになって,それこそ日本の思うツボ。でもケンカは絶対しないでくださいね。