帰省

七末に早めの夏期休暇を取って大阪に帰省した。父の様子伺いと大叔母の墓参りのためである。大阪も暑かったが,新潟・福島の大雨による地獄絵からは遠いところにあった。

病院に付き添い,主治医から父の病状を聴いたりした。父は何十年もの間,町工場の粉塵と騒音とのなかで仕事をした関係で,肺蔵には粉塵が溜りまくり耳が遠くなってしまった。そのくせ補聴器を付けるのを嫌がり,世の中の音を涼しい顔で無視して,ケロリとしている。医師との会話で私は大声で意思疎通の仲介をしなければならなかった。車の運転も長年の経験のおかげでまだ達者なもので,親戚の家に行く際も,中央環状線で頻繁に車線変更を行いスイスイ目的地に近づいて行く。昔の父には美人が道を歩いていると運転中でも目で追う習性があり,危なくてしようがなかったが,いまはさすがにそれはなくなったようである。

帰省中,病院,墓参,親戚への挨拶以外はほとんど何もせず,麦酒をカックらって,タイガースの野球中継などテレビばかりを観ていた。甲子園での中日戦で,なでしこジャパンの川澄・海堀両選手が始球式に登場して盛り上がっていた。神戸は彼女たちの所属するクラブ INAC の地元である。関西では CM などこちら東京・横浜地域とはまるで違っていて面白い。こちらではもうまったく流れなくなったウナジェル(「♪魅せたい肌の虫さされケア・ウナジェ〜ル」)の CF が関西ではいまうるさいくらいに押し寄せて来る。また,『アホやねん!すきやねん!』なる NHK 大阪のローカル番組 — ガリガリガリクソン,桜 稲垣早希のオタク臭ぷんぷんのタレントが司会する NHK としては珍しいバラエティ番組 — が放映されていた。NMB48 が出て来るところもカンサイなんである。