怖く面白くなってきました

怖く面白くなってきました。

チュニジアの「ジャスミン革命」の波が止らない。エジプト,リビア,バーレーン,イラン,サウジアラビア,... 「民主化デモ」というと聞こえがよいけれども,この情勢は日本にとってロクな方向に働かないと思う。米国が「民主化デモ」を讃え,煽っているようにも見えるのが,まったく理解できない。これまでの飼い犬に次は噛み付かれるかも知れないのに(確かにイランの反政府的騒擾は米国にはウェルカムなんだろうけど)。

中東各国の政情が不安定になると,石油価格が高騰して日本の脆弱な景気感がすぐまた下降するのは間違いない。また,これまで米国の飼い犬だった「穏健」アラブ国家でこれまで押さえ付けられていたイスラム原理主義勢力が台頭して,イスラエルとの関係がいよいよ緊迫し,本当に戦争が起こるかも知れない。そうなると「不安定」どころか「石油ショック」が起こる。イスラエルは核弾頭を使うかも知れない。アジア杯,漢詩プログラムなんかに現を抜かしている間に,怖い状況になったものである。

一方,わが国のこの体たらく。小沢さんが党員資格を凍結されたのを受け,小沢さんの子分たちが菅政権に造反する態度を鮮明化させ,民主党はいよいよ党内分裂が決定的になりつつある。

それでも菅政権が窮地に陥れられるのを見るのは面白い。なんのために政権交代したのか初心をお忘れの菅不作為内閣はさっさとつぶれてくれ,と私は思っているからである。予算関連法案が党内のもめごとで纏まらないとなると,党首,ひいては政権のだらしなさが物笑いの種になる。いままで「何も決断できなかった」奴が外的要因で自滅するのを見るのはホント面白い。政治を Let it be でやってくれる奴は Let it be で亡びる。下品ですみませんが,世の中はそうじゃないと面白くない。とにかく,予算法案が可決しそうになければ,衆議院解散・総選挙。小沢さん一派は新党を結成して総選挙に臨む。これを期待したいと思う。

こんな世界情勢のなか,永田町は内部抗争なんてお気楽なものだから笑ってしまう。中東の政情不安の諸問題に対しここで日本が平和的秩序維持において率先してコミットし,安定化に動けば,カッコいいんだけど,無理ですね。日本は政府・政治家のコントロールではなく,民間人のしたたかさで国が保っている。そういう意味で日本は民主的国家の代表のようなよい国だと思うんだけど,国がコミットすべき領域では「不作為」の権化のようなところがある。Let it be — あとで痛い目に遇いそうである。