エレーナ・フィルソヴァのチェロ協奏曲

ロンドン在住のロシアの女流作曲家エレーナ・フィルソヴァが,Facebook の私のウォールにビデオをシェアしてくれた。2 月 18 日にロンドンで行われた,彼女の作品:チェロ協奏曲第四番作品 122 "Concerto-Elegy" 演奏の模様である。このコンサートは少し前に Facebook でアナウンスがあったのだけど,私はロンドンになどとても行かれず,でもこうしてすぐ YouTube で観れるようになったことに,時代は変わったと思わずにおれない。

演奏は Anatole Liebermann (Vlc), St Paul's Sinfonia (Orchestra), Andrew Morley (Conductor)。本作品はチェロ奏者,指揮者としてもはや伝説になったムスチスラフ・ロストロポーヴィチに捧げられている。ソヴィエト体制のなかで藝術的意思を貫いたスラーヴァ(ロストロポーウィチの愛称)へのオマージュである。第二部の冒頭の神秘的な木管,チェロのカデンツァが印象に残った。ここにもエンベッドしておきます。
 

 

YouTube のフィルソヴァのチャンネルでは,これ以外にも彼女の作品の動画が観られる。うれしいことに『Music for 12』もある。これは,1987 年のベルリン藝術週間・特集『モスクワの今日』を NHK-FM 放送で聴いて,そこでフィルソヴァの名をはじめて知った曲である。私はこの放送でソヴィエト「現代音楽」の素晴らしさに目覚めたのだ。当時,彼女はソヴィエト当局から反体制的作曲家のレッテルを貼られていた(『フレンニコフの七人』の一人として批判にさらされた)。時代は変わったなあ。