芭蕉庵ほか散歩

日曜日,妻と芭蕉詣でをした。江東区常盤町にある芭蕉記念館,芭蕉稲荷神社などを観て来た。ウォーキングはお金が掛からないよう努めているんだけど,芭蕉ゆかりの土地を歩いてみたいと思った。新橋までなら夫婦ともに通勤定期が使える。新川崎駅から電車に乗って,新橋で地下鉄銀座線に乗り換え,日本橋で降りる。そこから常盤町まで歩くことにした。新川崎駅にはいま小雪のサントリーハイボールとプーシキン美術館・フランス印象画展覧会の広告が出ている。すすきと小雪がなかなかよかったので写真に収めた。

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日本橋駅で日本画のアヴァンギャルド展覧会のポスターを発見。ちょっとチェック。東海道五十三次日本橋の浮世絵看板の前で記念写真。永代通りを東へ歩く。日本のウォール街・茅場町もさすがに休日で閑散としていた。

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永代橋に出た。ここから隅田川沿いの遊歩道を歩くことにした。このあたりでは,隅田川は,東京湾に流れ込む川水と海から侵入する波が拮抗して,流れが川の中央を境に左側通行で対向しているように見える。不思議な眺めである。清洲橋で対岸に移る。建設中の東京スカイツリーが遠望できた。

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運河を掛ける万年橋を渡ると,芭蕉庵跡地,現在の芭蕉稲荷神社がある。偉大な文学者が聖化されることはままあるが,文名だけで文字通り神になったのは芭蕉くらいではなかろうか? 鳥居横に寒桜だろうか,か細い花がきれいであった。二階の女が気に掛かる隣の民家は昭和な感じがして面白かった。

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芭蕉記念庭園を観て,黄昏れはじめた逆光の隅田川を眺めて,芭蕉記念館を見学。俳句結社の句会が開かれていた。「岳俳句会,知ってる知ってる」と妻。許六の描いた見事な掛軸(芭蕉句「春もやや気色ととのふ月と梅」がある),芭蕉庵に関する古文献,『奥の細道』の自筆本・板本の系譜など,興味深かった。

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その後,清洲橋通り,清澄通りを行き,採荼庵跡を観に行った。清洲橋通りは相撲部屋が多いことでも有名で,自転車に乗る関取を見かけた。あの野球賭博で協会を追い出された元貴闘力関の経営する焼肉店があった。なにはともあれ,再出発した一流中の一流の成功を願う。途中,「問」字に似た恐ろしく古びた運送屋の建物にびっくり。

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採荼庵跡は仙台堀川のほとりにあった。とても綺麗といえない堀川には二羽の鴨が仲良く泳いでいた。採荼庵は芭蕉の弟子・杉風の別墅で,芭蕉と曽良はここから『奥の細道』の旅に出立したといわれている。すぐ脇の堀川沿いに俳句遊歩道が伸びていた。「草の戸も住替る代ぞひなの家」を筆頭に『奥の細道』に出て来る句の看板が一定間隔に立てられていた。桜の季節には,川沿いの花が素晴らしいだろう。

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清澄通りにはちょっと古風な寿司屋など江戸前の渋い店が多い。私も会社の先輩によく連れていってもらったものである。そんなことを考えていると映画監督・小津安二郎生誕地の碑を見つけた。清澄庭園すぐそばの江東区掲示板に『東京物語』の映画上演等の催しの案内があり,興味をそそられた。さらに歩いて地下鉄東西線・門前仲町駅に到着。散歩は終わり。電車で川崎に出て,娘と落ち合いお好み焼きを食った。

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この日,14,000 歩くらい歩いた。Google Map で経路を残しておく。


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