先日書いた『Хартия, Эвристика フォント: Autoinst によるフォント組込み』で OpenType フォントから autoinst を用いて LaTeX タイプセットに必要な諸々のファイルを生成する方法を探ってみた。でもじつは,こんな面倒なことをしなくても,これらフォントのダウンロード・サイトには LaTeX 用のパッケージ一式が公開されていた。Хартия: http://
% mkdir -p ~/tmp/khartiya-heuristica % xz -dc ~/Downloads/khartiya-0.2-tex.tar.xz |\ tar xvf - -C ~/tmp/khartiya-heuristica/ % xz -dc ~/Downloads/heuristica-0.3-tex.tar.xz |\ tar xvf - -C ~/tmp/khartiya-heuristica/ % su -m # cd ~/tmp/khartiya-heuristica/ # tar cf - ./doc ./dvips ./fonts ./tex | ( cd $TEXDIR; tar xvf - ) # mktexlsr # updmap-sys --nomkmap --enable Map=khartiya.map # updmap-sys --enable Map=heuristica.map
フォントを使うには LaTeX 原稿に \usepackage に khartiya.sty, heuristica.sty を指定する。autoinst で自動生成した場合とは異なり,LaTeX パッケージではマクロファイル名の先頭が小文字になっている。
これら LaTeX パッケージは T2A キリルエンコーディングのほか,T1, TS1 用のフォント定義を含んでいる。autoinst によれば autoinst --encoding=T2A,T1,TS1 *.otf で生成した場合と同等になっている。textcomp パッケージと併用すると,\textcelsius などのマクロを Хартия, Эвристика フォントで出力することができる。ただし,これらフォントは textcomp のすべての文字を収録しているわけではない(例えば \textleaf やオールドスタイル数字: \text*oldstyle などは含まれない)ので注意が必要である。私がこの前書いた記事では,autoinst の --encoding オプションに TS1 を指定していないので,その場合,textcomp の出力は標準の TC あるいは Latin Modern フォントが拾われるはずである。どちらがよいかは利用者次第であろう。
今日の朝日新聞夕刊スポーツ面で『鄭大世 賛辞と批判』というコラムを読んだ。北朝鮮代表としてワールドカップに出場した彼は,川崎フロンターレからドイツ二部リーグのボッフムに移籍した。そこでチームの得点頭となる活躍をする一方で,警告で退場するなどの迷惑ぶりでも目立った選手になっている,そういう記事だった。ファイティング・スピリットに溢れる鄭大世らしいこの消息に,うれしくなってしまった。
南アフリカ・ワールドカップののち,海外に移籍する日本人選手がいきなり増えた。香川真司選手などドイツ・ブンデスリーガ・ドルトムントで大活躍している。内田篤人選手のアシストであの元スペイン代表ラウールがゴールした,なんていう話を聞くと,サッカーでもワールドクラスの話題に日本人が食い込んで来る時代が来たんだ,とうれしくなってしまう。70 年代,80 年代,日本がワールドカップ出場とはまったく無縁であった時代,日本人が指をくわえてワールドカップを観ていた時代を知っているだけに,感無量である。
こういうところからも,私たちの世代の日本人よりもいまの若い日本人のほうが優れているということを実感するのだ。そういう点がいちばんうれしい。