内閣支持率

菅内閣支持,急落27%=自民が民主逆転—時事世論調査』だそうである。

菅内閣支持率は,代表選挙直後 40% 以上あったのに,ここへ来て外交無策のために急落。一方,民主党の政党支持率も,政権交代後はじめて,自民党に追い越されたらしい。ま,雰囲気的にはしようがないように思う。

でも。今回の民主党政権のあの無様にも見える行動は,自民党ならちゃんとやったとでもいうのだろうか。今国会での自民党議員の代表質問は,揚げ足取りの罵詈雑言を浴びせるばかりで,私が国会中継の模様をテレビで見た限り,肝心の民主党政権は痛くも痒くもないように見えた。あんたら自分のやってたことを棚に上げてよく言うよ,ってカンジ? この自民党の相手に舐められた闘いぶりひとつ見ても,自民党は野党としてまったくのダメ政党であることを証明していた。何でこんなんで自民党の支持率が上がるんでしょうか? 今回の中国漁船問題に関しては,民主党政権(前原国交相)の見通しの甘い「強気の初動」こそに失敗の要因があると私には思われるのだが,自民党政権時代では「逮捕・拘束」なんて中国にビビってそもそもできなかっただけなのである。

こういうところからも,この「支持率」,私にはどうもそれほど重要な指標とは思われない。もちろんいま衆議院解散・総選挙を行ったらどうなるか,ということについては,この数値がそのまま選挙結果に繋がるだろうとは思う。でも考えてみれば,今回の菅内閣支持率 27% は,麻生内閣時の最低支持率 10% 弱に比べるとまだまだマシなわけである。マンガばっかり読んでた首相より菅さんのほうがマシってか? 菅内閣はまだまだ「落ちる余力」があるわけである。麻生さん以下にならないうちは,菅さんは大きな顔をして政権運営していただきたいと思います。

小渕内閣はバブル崩壊後の構造不況や冷戦時代の外交課題に果敢に取り組んで,IT 政策など今日の基盤を築いた優れた内閣だったと私は思う。ところが小渕さんは人気がなく,内閣発足後の支持率は 24% と極めて低いものだった。一方,小泉内閣はあの劇場政治で大いなる人気を博し 70% 以上の支持率を獲得したが,反中・反韓・反露世論を焚き付けて対米従属根性を政府に植え付け,対米以外の外交をことごとく放置し,アジアで日本を孤立させる元を作っただけでなく,国内的には社会的弱者を急激に増大させた。現代日本の政策の元凶だとさえ私は思っている。支持率の高い内閣がよいとはとても言えないようである。

国会中継を見る限り,民主党のほうが自民党よりもまだマシである。私は潔癖症的・よい子ぶりっ子的・権力主義的民主党議員(千葉景子はその代表。おっと,もう議員じゃございません)が大嫌いだけど,自民党が復活するくらいなら,たとえそのリーダーが存在感のない菅さん(お体大丈夫ですか?)でも,逮捕されるかも知れない小沢さんでも,口先だけ威勢の良い前原さんでも,本質的ヤクザで頼もしい仙谷さんでも,私は民主党政権を支持する。外交問題で脇の甘さを露呈し続けているが,二,三年,ん?四年くらいはガマンである。政権交代はそれくらいのリスクを負うに値する。ま,中国に対して強硬な姿勢を貫けなかったという点で民主党を攻めたい人は,日本共産党を支持なさってはいかがでしょうか。中国批判の舌鋒の鋭さでは,日本共産党は怖いくらいであって,自民党も形無しなんであるから。日本共産党は「中国側も,事実にもとづき,緊張を高めない冷静な言動や対応が必要でしょう」なんて「中国さん,あんたガキか」ともとれるようなことをヌケヌケと『赤旗』に書いています。