2010 夏休み

夏期休暇をいただく。妻と娘は岩手に帰省。私は息子と過ごす予定だったが,大学のクラブの合宿で滋賀に行った息子は,そのまま大阪の私の実家に遊びに行くとの連絡があった。私は独りで過ごすことに。

高校野球を観,本を読んで,一日中過ごす。そんな堕落した生活が私の最高の休みの過ごし方である。この堕落したお休みの間,中国の怪談を漁っている。陳舜臣『聊斎志異考』,岡本綺堂『中国怪奇小説集』。先日興味深く読んだので,何冊か纏めて陳舜臣の作品を丸善で買って来たのである。

中国の怪談は,幽霊がまるで普通の生きている人間と同じようにふるまい,生きている人間も幽霊を畏れるところがほとんど見られない。意味深長なエロスを漂わせて,奥ゆかしい。主人公の男が二人の美しい女幽霊に読み書きを授けるなんてストーリーもある。彼女たちと交わるとその住人をとり殺すとされていたが,主人公の男は女色に淡白なおかげで彼女たちと愉快に暮らすという話である。