美文書第 5 版発売

奥村晴彦先生の著書『LaTeX2e 美文書作成入門 — 改訂第 5 版』が来る 7 月 7 日に発売されるらしい。Amazon では予約注文の受付がはじまった。本書は,LaTeX の総合入門書として確固たる地位を占めて久しい名著である。3 年周期くらいで改訂され,最新事情を反映し続けていることこそが,その質の高さ・確かさと著者の良心の証である。
 

 

※ 7.7 付記

もう本書のサポートページが開設されていた。誤植や参考情報を掲載していて,ぜひ本書と合わせて参照することをお勧めする。

コンピュータ関連図書では,このように書籍中の誤植などの訂正情報を Web サイトでアナウンスするというマナーが定着している。文学関係の書物など,いったん公刊されてしまうと誤りすら「表現」として大きな顔をし出すことがある。文学書では誤りは「恥」なので,詩集などで刊行後にバグが見つかると編集者/校正は著者に呪われてしまう(編集者からすれば「アンタだってゲラ見てんじゃないの?」と言いたいところだろうが,文化人という人たちは俗事に関しては他者のせいにするのが得意である)。「芸術的書物」はそれ自体で完結していることが重視されるからか,別の形態で「訂正」するということそのものが忌避されるようである。間違いを犯すのは人間の性なのだから,この場合,著者は堂々とどこかに訂正を掲げてもよいと思うのに。こういうのと比べると,サポートページできちんと正す技術的文献の姿勢は良心的である。

※ 7.25 付記

本書付録 I 『LaTeX2e による多言語処理』のサポートページも公開された。本文にしるされたパッケージ,スタイルファイル,プログラムへのリンク,使用に際しての Tips が掲載されている。付録 I をタイプセットするために必要なすべてがある。今回も本付録のお手伝いをさせていただいた。もうすでに誤植を二つ発見してしまい,Errata としてその訂正情報を掲載してある。