ワールドカップにばかり夢中のわけだが,当然ながら世の中が止まったわけではない。プロ野球も,いつのまにやら,交流戦が終わっていた。DH 制に鍛えられた,投手力に優れたパリーグが,実力を見せつけた。そしていま,参議院の選挙運動がたけなわである。
今次,マスコミのおかげで消費税が争点になってしまった。これは誰の入れ知恵なのか。共産党から電話がかかって来る。「消費増税ではなくて,軍事費の無駄遣いをやめるべきですよね」と,彼らも争点は消費税にあると認識しているようであった。「消費税はどうでもよいと思います。それより,税金を安全保障関係費以外はすべて民間企業に運用させ,民間に事業委託してくれるんなら,共産党に一票入れてもいいですよ。民間企業経営者を — そうそう,日産のカルロス・ゴーンみたいなのがよい — 官僚のトップに据えて,片っ端から事業改革させ,余剰公務員をクビにしてくれるんなら。そうすれば財政再建はすぐできると思うんですけど。ところで,マルクス=レーニン主義なんてもう信じてないんでしょ?」と私。ジョーク,ジョーク(何が?)。
自民党は谷垣総裁のアップ CM を垂れ流している。ご飯時には見たくない映像のひとつである。「いちばんの日本」だって? あなたがた無邪気ですね。年収 400 万以下が労働者人口の半数を占める,そういう「普通の生活」すら難しい国民が「いちばん」なんて望むだろうか。普通の国民にとっては,そんな「いちばん」幻想のアジテーションなぞクソくらえであって,「せめて普通の暮らしができるようにしてくれ。もっと努力が報われる世の中にしてくれ」ということに望みは尽きるのではないだろうか。働いたらそれに見合った給料を貰え,食べて自分の家で寝ることができ,仕事のあとで好きな女の子・男の子とエッチしたり本を読んだり映画を見たりする少しの余裕が持て,結婚生活が送れ,子供を生んで育てることができ,老いて仕事ができなくなっても食べて行くくらいはできる — そういう普通の暮らしすら「望めない」人が世の中に溢れているのである。
またもや,自民党らしい単なるカッコ付け,国民不在の発想。野党に下ったのだから,原点に立ち帰って目線を地べたまで下げ,国民生活の現実をもっと見つめたらどうかと思うのだが。甘やかされたお金持ちのドラ息子が,親の財産を蕩尽したあげく落ちぶれても,やっぱり贅沢をやめられずカッコばかり付けている — いまの自民党はそういう体たらくである。「お前はもう死んでいる」というのがあったけど,自民党はまさにこれ,ホント終わっている。こういう亡霊みたいな人たちにまた政権を任せると,貧困がいよいよ蔓延して国民は地獄を見るかも知れない。
選挙でマイナス投票が認められないものだろうか。この政党,候補者にだけは当選してほしくないという意志を示す,対象の票数を減らす票である。そんな政党,候補者ならいくらでもいるのは何故なんだろうか。なんでこうもアナーキズムに傾いてしまうのか。もし,そういうマイナス投票制度があったとしたら,私はどこに入れるかって? もちろん民主党ですよ。ジョーク,ジョーク(何が?)。