コートジボワール戦。日本は,予想通り,先日のイングランド戦で「善戦」した際に味をしめた付け焼き刃の布陣を,ほぼそのままここでも踏襲し,予想通り,70 分で足が止まり,予想通り,史上最強の DF のおかげで負けてしまいました。岡田監督はいよいよどうすればよいのかわからずに(自分で掻き回しているようにすらみえる)本大会に臨むことになったわけである。それにしても,私はオウンゴールというものは 20 試合に 1 ゴールあるかないか,くらいに思っていました。2 試合続けて,しかも W 杯出場国代表たるディフェンダーがやってしまう,ということに,正直,ショックを受けた。
この DF は,おまけに,コートジボワールのエース・ドログバに膝蹴りまで食らわせて退場を余儀なくさせた。カンフーでもその最強を証明した。この結果,もし「ドログバ,本大会欠場」なんて事態になったら,闘莉王選手は,コートジボワールのみならずアフリカ諸国民の呪詛を一身に背負うことになる。明日にでも岡田監督はドログバ選手の容態を確認すべきである。そして,診断が思わしくなければ,闘莉王選手を代表から外し,日本に帰国させた方がよい。それは日本代表チームのためではなく,闘莉王選手自身の身の安全のためである。これは真面目な話。
ブツ,ブツ,ブツ,ブツ,と書いていたら,そこにニュース。なんと「サポートメンバーの」永井選手のゴールでその後の「練習試合には」日本が勝ったらしい。どこまで面白いことをやってくれるのだろうか。「サポートメンバーってどういうこと,試合を観てて頭に来た日本のサポーターが飛び入りしたってこと?」と妻が横から真面目に聞いてくる。「どうもそうみたいよ。福岡大学の学生さんだって」と教えてあげた。岡田監督はこの光明を見逃すはずはない。この練習試合のメンバーでカメルーン戦に臨むかも知れません。そうそう,松井選手が観られるのは嬉しい。おっと,期待のハードルは,いよいよここまで落ちちゃったってわけ?
※ 6.5 付記
今野選手が倒され怪我を負ったことでドログバ選手の問題はチャラになった,とヌケヌケと言うバカがいるようだ。「世界を畏れない」日本人の典型。世界の人々がどう思うか,ということを考えないようである。今野選手とドログバ選手を並べて「チャラ」なぞというのは,AKB48 の特製豪華グラビアとピカソのタブローを交換できる,というのと変わらないように私は思うんですけど。そりゃあ,同じ人間ですけど,「格」が AKB48 とピカソくらい違う。え,AKB48 のほうがカワイイって?
ドログバ選手,今野選手は本大会に間に合うのか。いまはそれを期待するしかない。
もうひとつ。「闘莉王のプレーを云々する前に中国のカンフーサッカーをどうにかしろ」なんてホザく奴もまたゴマンといる — 2ちゃんねるの読み過ぎとちゃうか。問題を別の問題ですり替えるのに得意な人があまりに多い。感心する。
闘莉王選手のプレーは故意ではなかった — これは間違いない。断っておきますが,私が言いたいのはこういうことです:そうは言っても,あのラフプレーで世界が憤り,「ドログバ壊される」という報知が,サッカー W 杯という国家的威信をかけたイベントにおいて,どんな危険な事件を引き起こすか知れないということを,岡田監督も,選手本人も,よく認識すべきではないだろうか。日本なら「オレたちはまだ弱いから負けた」で済むかも知れないが,W 杯の成績が人命を左右する国もあるのである。昔,オウンゴールを犯したコロンビア代表選手が予選落ちに怒った同国民によって射殺された,そういう事件があるくらいなのである。オランダ,デンマークを標的とするテロ計画も話題になっている。上で闘莉王選手を日本に帰すべきと書いたのは,皮肉ではなく,大真面目な話なんである。