昨日,金曜日のお午どき,職場の溜池周辺をぶらぶら散歩した。
六本木通りから赤坂インターシティビルへの道を入り,坂道を登る。ビルの裏側にお洒落で緑豊かな小径があり,ベンチで OL がお弁当を食べていた。ここは米国大使館にも隣接する。治外法権地帯をちょっと眺めようかと思ったが,高い塀のためばかでかい館屋以外はまるで見えず。
竹を植えた階段を降りて,米国大使館の門に出た。警備が厳しく,大使館の塀に沿った歩道は,9.11 以降歩行が禁止されている。大使館前の三叉路辺りの飲食店でメシにしようかとも思ったが,この付近はランチですら 2,000 円くらいする界隈なのを思い出し,やめ。北海道新聞支社,共同通信社のビルの前を外堀通りの方向に進む。北海道新聞社は,間違いなく,札幌の本社よりもこの支社の借料に金を掛けているであろう。
JT ビルが誇らしげに高々と屹立している。その向こうには霞ヶ関ビル。幼いころ,霞ヶ関ビルの建設をテーマにしたプロジェクト X 風映画を観たことがある。そのためか,小学校 4 年にはじめて東京を訪れたころの私には,東京タワーとこの霞ヶ関ビルこそが日本の首都の象徴であった。10 年ほど昔,ある業界団体の集まるある会合が霞ヶ関ビル 2X 階・M 化学本社,官庁街を一望できるミーティングホールであった。私はこの会合に,ある省庁システムの設計者として参加した。情報公開法に伴う実験システムを死ぬ思いの一ヶ月で子分と作り,そこでデモをした。日本の製造業を代表する錚々たる企業の部門代表者と,私は名刺交換した。霞ヶ関ビルは日本の企業オフィースの象徴だと,その時も強く感じたものである。霞ヶ関ビルは日本でもっとも古い高層建築ではあるが,その歴史に見合うだけの立派な内装に私はびっくりした。
JT ビルの前にある喫煙エリアで一服。木漏れ日が涼やかだった。煙草税増税反対の垂幕はもうなかった。喫煙者の肩身が狭くなる一方のこの時代,増税でさらに売り上げが落ち込むことの予想される JT は,この高層ビルを維持し続けられるのだろうか。ビル全面禁煙が当たり前のご時勢,このビルの中もやはり禁煙なのだろうかと想像しておかしくなった。
外堀通りを赤坂方面に歩く。特許庁。4 月末,TBS ニュース 23 が,どこから嗅ぎ付けたのか,特許庁新事務処理システムの入札において庁内仕様情報が T 社に流出していたとの問題を,これまた何故か,3 日連続の特集として報道した。その際,TBS は経産省・増子副大臣が厳正な調査を指示したと伝えた。番組は陰謀めかした雰囲気をこれ見よがしに発散していたが,その後音沙汰がない。今般の菅新内閣での首のすげ替えで,おそらく忘れ去られるのだろう。
昼飯は結局,溜池交差点のラーメン屋『由○』溜池山王店で豚骨担々麺を食った。胡麻の風味と強いラー油の辛みが効いた豚骨スープ,博多独特の細麺が旨かった。