薫風の五月

黄金週間以来,やっと五月らしい日和が続くようになった。躑躅が咲き誇っている。昼間はかなり暑い。夕べには窓を開けると涼風が気持ちよい。

金曜日,妻の両親が来た。土曜日,義父を川崎駅周辺の書店に案内。妻と義母は裁縫用品などのお買い物。これは義父母が上京した際のパターンになっている。とにかく義父は本が好きである。購入した小冊子を見せてもらった。義兄 — つまり義父の長男にして,妻の兄 — の写真とともに,彼の推薦する本の書評が掲載されていた。

夕餉の折りは,やはりご近所・親戚の近況,ウチのガキども,妻の高校時代までの昔話などで盛り上がる。妻が小さい頃から作文に長けていたこと,高校の全国模擬試験・倫理社会で岩手県 2 位の成績を取ったこと,などが義父の自慢であったという。私も妻の書いた文章をいくつか読んだことがある。祖父母の追悼文集に寄せたエッセイ,大学時代に書いた『梁塵秘抄』論など,私なんかより遥かに上を行っている。しかし,主婦になり,子供を育て,出版社に勤めるなかで,なにがしかの文章を書く機会がない。僅かの暇を見つけて読書している。「ブログでも書いたら? うちのサーバにはもうアカウント作ってあるよ」と私が勧めても,「そんなヒマどこにあるの?」とニベもない。そういう私こそが彼女の書く可能性を奪っているのは疑いない。

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義父母が北上に発ったあと,私はテレビで野球観戦。NHK-BS で阪神--広島戦。阪神の勝ち。私はスポーツニュースで結果を確認する程度で,野球を観戦することは滅多にない。観たときに阪神が勝利してくれると本当に嬉しい。まあ,それでよいと思う。

マートンという優れたリードオフマンに感動した。こりゃ,赤星はすぐ忘却の淵に沈むはずである。今日は,若い鶴投手,西村投手がよいピッチングをしたのが一番の見所だった(結局,鶴投手はピンチに根負けして,残念ながら勝ち投手になれなかった)。とはいえ,タイガースの投手陣はどうしてこうも安定感がないのか。久保田君,いいボール持ってんだから,もう少ししっかりしてくれよー。昨日は 8 点取りながら 11 点献上して負け。疲れる試合を続けている。最近打線が好調だと騒がれているけれども,少しよい投手に当たるととたんに沈黙するのは致し方ない。やっぱり投手力が不安定なチームは長い公式戦を経てトップには立てないだろうと思ってしまった。