日本全国が普天間問題で大騒ぎしている間に,世界では悲惨な事件や気味の悪い問題が立て続けに起きている。韓国の軍艦の爆発物によると見られる沈没。ロシア・モスクワでの自爆テロ。ギリシア財政破綻。これで,中東あたりに火が点いたら,せっかく経済もゆるやかに回復しつつあるのがまた石油ショックでいっぺんに冷え込んでしまうように思われる。
マスコミが伝えるように,本当に北朝鮮の機雷ないし魚雷で韓国軍艦が撃沈されたのだとしたら,韓国国民の好戦的世論が沸騰しかねない。でも,なんとなく,ただの演習中の事故のようにも思われる。昔自分で撒いた機雷にでも当たっちまったというのが実際のところだったりして。もし北朝鮮の悪意が絡んでいるとなれば,こんなときにキム・ジョンイルさんが中国外遊なんてしないだろうと思われるからである。北に対して敵対しているのに当然ながら同胞意識も強い韓国政府は,いまのところ民意を刺激しないよう,うまく処理しているように思われる。
上海万博が開幕した。予想通り,運営上のずさんさ,中国人のマナーの悪さばかりが面白おかしく報道されている。大阪万博のころの日本人のマナーはどうだったんでしょうか。列の割り込みを巡って大人達が喧嘩していたのを私はよく覚えている(関西人が喧嘩早いだけか?)。いま中国で列を争うのをテレビニュースで見ても,あのころの日本と何の違いがあるのかと思ってしまう。
私は大阪万博で米国館を見たさに 4 時間並んだ。アポロ 11 号の展示を絶対に見たかった。日本館では,日本 IBM が展示したおっぱいが 6 つある女の絵を見た恐怖で,その後しばらく夜中に苦しめられた(あれ,何だったんだ?)。三菱未来館の 360 度映像に度肝を抜かれた記憶がある。企業パビリオンの催しのほうが数段上だった。太陽の塔の顔のあたりに過激派のお兄ちゃんがしがみついているのを直に見た。ションベンを我慢しながら列に並んで喧嘩している人たちよりもアホやなあと,幼心にも思ったものである。これ,中国なら銃殺か。
いま中国の人たちは,私が子供のころ大阪万博を観て輝かしい未来を疑わなかったように,この上海万博を言祝いでいるに違いない。それとも,若者は「假的(ジャーダ)」(ウソだー)と斜に眺めているのか。いずれにせよ,羨ましい。元気な国の気分の高揚は,病んだどこかのお上品国にはおそらく理解できない。