この春,大学に入ってからというもの,ウチの息子は浮かれて,遊び歩いてばかりいやがる。私も同じだったので何も言えません。履修届を出す前にもうバイト先を決めて来た。昨夜は,友人たちとコンパがあり,酔いつぶれた女友達,男友達,二人を連れて帰ると連絡があった。
妻は「何ィー!」と頭に血が上り,文句たらたら,狭い我が家にどいつをどこに寝かせるかなど思案しつつ準備をはじめる。こういうとき,同じ部屋に寝かせたりなんかするものならきっとエッチをするに違いないと,女親はすぐその方面の心配をする。「考え過ぎ。あのねぇ,自分がそのつもりになって考えたら,親のいる家なんかニャ帰らねえって!」と私は諭す。すると,高校一年生になった娘も「アタシもそろそろエッチしていい年じゃね?」などと言い出す。「ボケ! 十年早え。男は女で失敗する,女は男で人生を狂わす,知らねーのか! 人はエッチの前に仕事を覚えないとロクな人間にならん!」。まったく。俺も学生時代に戻りたい(そっちかよ)。
男の子は「夜分すいません,ホントすいません」と詫び,「ワタクシ,社会学部社会学科の I と申します!」。千葉の産。茨城県から来た女の子はというと,ぐでんぐでんに酔っぱらっていて前後不覚状態,息子に甲斐甲斐しく介抱されていた。急性アルコール中毒ということでもなさそうだ。この子の親御さんはさぞ心配してるんだろうな。友達の家に行くと連絡はしてあるようだ。
大学新入生はいまや浮かれ気分。不況もクソも関係ないのだ。息子は私よりずっと手が早そうである。いいか,孕ませるなよ。