OldSlav: K さんからの返信

OldSlav 教会スラヴ語 LaTeX パッケージへのフォント追加について,ベータ版とサンプル組版 PDF を K さんに送った。今朝,彼から早速返事をもらった。彼はたいへん気に入ってくれたようである。文字の幅,高さ,カーニングの具合が知りたくて,私は追加資料をお願いしていたのだが,なかなか適当なのが見出せないと彼は詫びていた。サンプルができたのを幸い,大学の文献学教授に見てもらい,見解を知らせてくれるという。

この女性教授,K さんの旧版 OldSlav で組んだ文書を見て,これはロシア風の書体様式だとすぐ判ったらしい。いくつか写本を見て来たとはいえ,私などは,教会スラヴ語の書体がロシア風か,ブルガリア風か,はたまたマケドニア風,セルビア風か,さっぱり区別が付かない。ただ「美しい」ということだけ(このフォントは,もともと,モスクワ大学のアンドレイ・スレプーヒン教授がロシア正教会の委託で作成したものである)。さすがである。こんな学識豊かな教授の意見がもらえるなんて,少しワクワク。

ところで,この先生,K さんによる OldSlav LaTeX 原稿を同時に見て曰く,世の中には Microsoft Office があるというのに,なんでまたこんな面倒臭い書き方をするんでしょう,"king size pain in the ass"(何故かここだけ英語)ですワ。"king size pain in the ass(ケツん中ビッグに痛ぇカンジー=ちょーイラつく)" なんて下品な表現を,本当に彼女が発したのかは知りません(もとより,ルーマニア人である)。でも,これが LaTeX の魅力を知らない人の正直な意見であるのは疑いがない。あるいはより多くの場合,LaTeX に「挫折した」人の恨みツラミである(ネットでもよく見かける)。MS Office is MS Office. LaTeX is LaTeX. That's all. No reasons. そう書いて返信した。orz...

もう少しマクロに手を加えたら,OldSlav-1.3(とりあえずベータ版)として公開するつもりである。