『祝女』・高校入学試験その2

妻が録画してあったテレビ番組を観た。『日曜美術館・若沖特集』,『祝女』。

日曜美術館は,ナビゲータ・姜尚中のファンである妻のお気に入りである。あの声がイイのよ。一昨年,上野で『仙人掌群鶏図襖』,『旭日鳳凰図』など若沖の傑作を観て度肝を抜かれたので,若沖その人にも興味がなかったわけではないのだが,今日は義兄がちょっと出演しているというので早送りしてそこだけ観た。彼は精神科医なのに,文学,美術などの領域でも専門的意見を求められるほどの有名人なのである。

そのあと引き続き『祝女』を観る。最近,NHK もユーモアたっぷりの世相バラエティを放送するようになった。『サラリーマン NEO』や『祝女』はなかなか面白い。今回は,友近とYOUが韓流スターにハマったアラ X を演じていて,愉快だった。YOUが,はじめはバカにしていた韓流スター「無限男子」の虜になってゆく過程をリアルに,コミカルに表現していて,笑いと悲哀を感じさせてよかった。うちの息子は「これだから中年オバサンはキモい」と酷薄である。「あたしが韓流にハマって追っかけをはじめたらどうする?」と妻。「うーん,じゃあお父さんはマン流にでもハメる,いやハマるかな」。鉄拳が飛んで来た。下品なオヤジですみません。

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今日は,神奈川県立高校入学試験 2 日目。面接である。娘は早めに学校に行った。何度も練習をした甲斐があってか,卒なく応じられたらしい。昨日の小論文のとき,娘の前と横の席にいた男子 3 人組 — 「ユーフォー」と呼ばれる男子,五角形,すなわちゴカクの「合格鉛筆」と「合格消しゴム」を机から落としてしまい「合格鉛筆も消しゴムも落ちちゃしょうがねぇ」とうるさい男子,そして,やたらと緊張して思い出したように頭を抱えて「あああ」と繰り返す男子から成る 3 人組 — が,受験番号が近いからか,今日も娘と同じグループ枠にいて,待ち時間にコントまがいの会話をやっていたらしい。

本番で「将来の夢はなんですか」と予想どおりの質問が出た。練習のとき,私は娘に提言してあった — 挿絵画家になりたい,という受答えは正直なところでよいけど,「じゃあ好きな作家はいますか」と突っ込みが絶対次に来るので,ちゃんと画家の名前を挙げて具体的に話ができるようにしといたほうがいいよ,と。今日,やっぱり「どんな挿絵画家になりたいか」と面接官が踏み込んで来た。「『ふたりはともだち』という絵本で見たアーノルド・ローベルのような,動物をユーモラスに表現する画家です」のようなことを娘は言ったらしい。な,お父さんの言ったとおりだろ?

一応試験が終わったので,夕方,妻と娘は近所のカラオケ屋に憂さを晴らしに行った。その間に私が煮込んだカレーは,旨かった。