のどかな元日

大晦日の晩は寒さが厳しかった。今日の元日,なんとものどかな一日だった。

夜中に ptetex3-20090610, upTeX-0.28 のインストールを試みたが,ぼろぼろエラーが出て,あきらめて寝た。今日,落ち着いて ptetex3-20090610 下にある LOG ファイルをチェックして問題対処を試みた。xdvik のコンパイル・リンクにおいて FT_xxx の関数参照のエラーで落ちていて,その後トチ狂ったようである。すでに Mac OS X にある Freetype2 ライブラリの版と不整合を起こしているようだったので,freetype-2.3.5 にバージョン・アップし,再試行したらうまく通った。make test の縦書き試験で FT_OpenType_Validate is disabled なるワーニングが出てエラー停止するが,最終成果物は dvipdfmx による PDF でよいので,これは放置。LaTeX のような大規模のシステムの初期インストールは一筋縄ではいかない。

/usr/local/teTeX/ 下をごっそり再インストールするつもりで臨んだので,ghostscript も入れ直し。いままで 8.54 を使っていたのだが,日本語の取り扱いの点から 7.07 に版を落とすことにした。山田泰司さんという方が公開なさっている "Welcome to ~taiji at gyve" サイトから Mac OS ヒラギノ,中国語 OpenType フォントを使うためのパッチを適用し,gs-7.07 で縦組でもヒラギノの高品質フォントを利用できるようになった。山田さんに感謝。

リビングに設置した,ホコリまみれだった再生装置(YAMAHA C-2x プリアンプ + B-2x パワーアンプ,Technics SL-01 アナログ・プレーヤ,DENON DCD-1650AR CD プレーヤ,YAMAHA NS-1200 スピーカ)も大掃除でピカピカにした。のどかな元日にお気に入りのレコードを二枚聴く。

一枚はモーツァルトのディヴェルティメント K.563,ウィーン弦楽三重奏団による独 CALIG 盤 CD。この名曲は名手ソリストが集った名盤が数あるけれど,私はこの Wiener Streichtrio の演奏がイチオシなんである。彼らはモーツァルト以外にも,ベートーヴェン,シェーンベルク,ウェーベルン,クルシェネクの弦楽三重奏曲の端正な録音を残している。ウィーンの演奏家は由緒ある一方で古くさいイメージが先行するけれども,アルバン・ベルク四重奏団のような現代音楽にも優れた室内楽演奏家が突然変異的に登場する。現在は廃盤になってしまったのが惜しい。

いま一枚は韓国のヴァイオリニスト・チョン・キョンファのヴァイオリン独奏,アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏によるプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番,第二番。昔,キングから出ていたロンドン・レーベルの LP である。第一番は,早春の胎動の悦びとほのかな頽廃が感じられるモダニズムの傑作である。私はこれを聴くと,雪解けの泥が瑞々しい札幌を思い出す。いまも CD で入手できると思う。
 

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