『沖ノ鳥島に港建設 中国へ主権主張 政府が予算化』のニュース(産経新聞配信)。政府の予算シーリングがかしましいいま,このような政策が予算化されるとの話は興味深い。民主党政権には自民党がなかなか踏み切れなかった自己主張を清々となす体質がある。これはよいことだと思う。沖の鳥島が「岩」ではなく,周辺海域が日本の領海であるという事実の主張は,対中国安全保障シーレーンの重要地点であるだけでなく海洋資源となるこの海域を中国には渡さないという明確な意志表示なのである。日本は東シナ海で中国の好き勝手にやられてきた。沖ノ鳥島事案は,もうそうはさせないということだと思う。
沖ノ鳥島へのこれまでの政府の無策ぶりは,読売新聞政治部が纏めた『検証 国家戦略なき日本』(新潮文庫,2009 年)に詳しい。東アジア共同体構想といい,普天間基地移設問題といい,新政権は米国とも,中国とも,付き過ぎず離れ過ぎず独自路線で外交をしようとする意図を感じる(普天間基地問題対応は米国を怒らせようとする意図が見え見えである。その前にバカなマスコミを怒らせているわけである)。そう,日本の国益を考え,政治的に戦ってほしい。自民党が定着させてしまったこれまでの対米従属根性(対中国政策は嫉妬心による「嫌中」路線でしかなく,対米従属だったのである!)を「しかるべき」姿に戻してほしい。