『源氏物語』の続編『巣守帖』

先日,読売のニュースで『源氏物語,幻の続編『巣守帖』か…写本確認』という記事をみた。

どれだけのボリュームで見つかったのか,詳らかではないが,読んでみたい気がする。「『宇治十帖』で,浮舟をめぐる三角関係に敗れる薫に同情した後世の人物が,物語を対照的に書いた “外伝” だといえる」との池田和臣教授のコメントがあった。『源氏物語』そのものがどうも全編,紫式部ひとりの手になるものではないらしいので,作者論議でこの「続編」の価値を云々してもあんまり意味がなさそうである。とくに『宇治十帖』については,文体の多変量解析研究によって紫式部作者説を否定する学説を読んだことがある。もちろん,この『巣守帖』を『宇治十帖』と同列に扱ってよいというのは早とちりである。

先日,冷泉家の文庫から藤原定家筆の古文書が見つかったというニュースもあった。いまこの時代においても「発見」があるというのは面白い。