Winny 開発者が著作権法違反幇助罪に問われた控訴審で,逆転無罪を勝ち取った(時事ドットコムを参照。朝日新聞 10 月 8 日夕刊の一面でも報じられた)。彼が起訴され,一審で有罪とされたとき,私はこの国の裁判はなんと愚かなのか,検察の言いなりの茶番でしかないと思ったものであった。これは,あるレイプ犯被告人があるレイプ小説の影響を受けたと陳述したと仮定するとき,レイプ犯罪を「幇助する」として,その小説を書いた作家にも罪を問うのと同じである。裁かれるべきなのはレイプ犯であって,小説家は犯罪そのものとは何の関与もない。こと IT が絡むととたんに常識がマヒするらしい。「幇助」ということばがいかに便利なものか呆れたのである。逆転無罪? こんな当たり前の判決がニュースになるのは,法治国家の恥である。
でも Winny を使うのはやめましょう。「著作権法違反」を問われるだけでなく,個人情報保護法にも抵触する可能性があるわけだから。Winny をインストールしているだけで会社をクビになっても文句言えません。そういう世の中になってしまいました。