昨年末からイスラエルは,停戦協定を破ってガザを空爆し,地上戦にまで戦火を拡大し,国際的に激しい批判を浴びている。イスラエルに「従順な」米国も,国連での停戦決議を棄権して鼻つまみ者となっている。今年こそ本当に中東が危ないという印象を新年から世界に植え付けている。これは米国政権がオバマさんに移行しようと変わるとは思われない。
イスラエルは,世界に散らばったユダヤ人たちがシオニズムにより建国した国である。古代言語であるヘブライ語を復古し,公用語にまで整備したというとんでもない文化意識をもつ。これだけでもすごい民であると思う。周りが敵だらけのなかで建国 60 年を閲した事実は,彼らの政治手腕,インテリジェンシーの証だろう。尊敬に値する。最近の国際世論を無視した情勢は,イスラエルの危機感がいかに差し迫っているのかということの現れだと思う。イランのアフマディネジャド大統領などは「地図からイスラエルを消す」ということを「公約」にしているくらいで,中東におけるアラブ--イスラエルの反目・敵愾心は,日本人にはとうてい想像できないものなのだろう。ああ,極東の平和な島国の国民でよかった...?
米国発の金融不況以降,最近なんとなくイランの核問題やイラク情勢が硬直化しているというか落ち着いているからか,原油価格も下がって来た。このあおりで利鞘の減りつつあるロシアはエネルギー大国としての嫌がらせのように,ウクライナ経由でのガス供給を停止した。ガス価格を釣り上げたいらしい。こんな子供じみたことをするからロシアは周辺国から信用されないのである。