オバマ大統領就任

オバマさんが米国大統領に就任した。素晴らしい演説をした。ルーツのひとびとの苦難から説き起こして米国民であることの誇りと克己心に訴え,いま中東の泥沼や世界的金融危機で自信を喪失した米国民を,前に向かせようという語り口にリーダーの風格を感じた。「全米で自信が失われ,アメリカの没落は必然で,次の世代は多くを望めない,という恐れがまん延している。今日,私は我々が直面している試練は現実のものだ,と言いたい。試練は数多く,そして深刻なものだ。短期間では解決できない。だが知るべきなのはアメリカはいつか克服するということだ」。全文をここで読むことができる。

1929 年以降の世界大恐慌のなか民主党ルーズベルトが大統領になり,ニューディール政策などを打ち出して,国民の一致団結を呼びかけたのと,どこか似ている。オバマさんのほれぼれする演説を聞きながら,でも果たして日本にとって,この米国の変化がよいものかどうか,ちょっと考えてしまう。ルーズベルト在任の 1933--1945 は,日本が米国と対立し,決定的に破滅してゆく時代だったのだから。