しばらく PC 環境のバックアップを取得していなかった。自作のプログラムや文書などがディスクの故障とともに失われてしまうと,これまでの苦労がパーになるわけでシャレにならない。中二になる娘が Mac でグラフィックデザインの勉強をする傍ら,私は久しぶりに FreeBSD (7.0-RELEASE) でバックアップ DVD-R を焼くことにした。
円盤に書く方法をまったく思い出せず,Web リソースの力を借りた。ここにも焼き方を備忘録としてしるしておく。DVD-R デバイスは ATAPI インタフェースである。tcsh 前提でコマンドラインを示す。すべてスーパーユーザ権限で実行する。
- バックアップ・アーカイブを作成する。私の場合,必要なファイル,ディレクトリを tar でアーカイブし,gzip 圧縮することにしている。これを各 PC 毎に行い,NFS サーバ上の共有ディレクトリ (ここでは /shared/dvd) に集めておく。もちろん NFS 構築しなければならないということではない。Mac と FreeBSD でデータ共有するために便利だからに過ぎない。
- ISO イメージを作成する。/shared/dvd ディレクトリ配下に集めたバックアップ・アーカイブを ISO イメージファイルに纏めるわけである。mkisofs コマンド (FreeBSD 7.0 では初期インストールで組込まれるようになった) によってこれを行う。-U,-R オプションは,それぞれ,ファイル名制限無効化,UNIX 標準 Rock Ridge 拡張有効化の指定である。ISO イメージのファイル名を dvdimage.iso としている。ISO イメージは,当然ながら,DVD-R 格納限界容量を越えてはならない。
- DVD-R に格納するためのツール growisofs をインストールする。このコマンドは dvd+rw-tools パッケージに含まれている。ports を利用して組込む。
- ATAPICAM モジュールを有効にする。これは,ATAPI デバイスへのアクセスを SCSI に化かすための機構である。growisofs を使うために必要である。
- 次回リブートしたとき ATAPICAM モジュールを有効にするため,/boot/loader.conf に atapicam_load="YES" 行を追加しておく。これは必須ではない。
- ISO イメージを DVD-R に焼く。-speed オプションは所有の DVD ドライブに応じて適宜指定する (必須ではなさそうである)。ATAPI-DVD デバイスは通常 /dev/acd0c であるが,growisofs のコマンドラインでは /dev/cd0 を指定することに注意。
- growisofs メッセージの正常終了を確認し,実際にマウントしてみて格納データが読めるかも確かめておく。
# cd / # tar zcvf /shared/dvd/www-200901.tar.gz ./usr/local/www/apache22 ... etc., etc. ...
# cd /shared # mkisofs -U -R -o dvdimage.iso ./dvd
# cd /usr/ports/sysutils/dvd+rw-tools # make install clean # rehash
# kldload atapicam
# cd /shared # growisofs -dvd-compat -speed=4 -Z /dev/cd0=dvdimage.iso
* * *
私のバックアップ作業が終わる前に,娘が一枚絵を描き上げた。紙にスケッチして,これをスキャンし,Adobe Photoshop で加工した。グラフィックデザインの入門書を見ながら,Mac のオペレーションを私に聞きながら,製作したものにしては上出来である。悩める女性を描いたそうである。感心した。