東京フィル・コンサート

10 月 17 日,東京オペラシティ・コンサートホールで東京フィルを聴いた。長男の学校のコネでチケットを 1,000 円で手に入れたのだ。最近は高額チケットを買って有名オケをありがたがって聴くなんてことよりも,奏者の知名度はイマイチでも,安くてよい演奏会をできるだけたくさん聴きたい。そのほうが私の身の丈に合っている。

演目はラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第二組曲,グラズノフ作曲『サクソフォン協奏曲』,ショスタコーヴィチ作曲『黄金時代』,同交響曲第一番ヘ短調。指揮はミハイル・プレトニョフ,サックス独奏は須川展也。音が重くかつシャープでインパクトがあった。ホールの特徴かも。ラヴェルがよかった。

プレトニョフは,もう何年も前に調布のホールで,そのチャイコフスキイのピアノ協奏曲の独奏,ヴラディーミル・フェドセーエフの指揮したモスクワ放送交響楽団との共演を私は聴いたことがあり,いまは指揮もするんだとちょっとびっくり。私はアーティスト事情にうといのである。指揮の腕前も悪くなかった。

前日朝五時まで仕事をして三時間程度しか寝ておらず,当日も顧客打合せで移動があったりで,眠くてしようがなかった。顧客打合せが予想のほか長引いて,茅場町から新宿初台に大急ぎで駆けつけたこともあり,くたくたであった。コンサートの途中,睡魔に襲われ気を失ってしまうことしばしば。ショスタコの第三楽章の記憶が定かでない。

ホールには高校生と思しき制服姿が目立った。サクソフォン奏者須川展也のファン,ブラスバンド部員なのだろうと想像した。

帰るさ 10 時過ぎ携帯電話が鳴る。ある顧客でハード障害発生の連絡。幸も不幸もたかってやってくる。仕合せとはかくの如きものなり。リカバリ対応を言いつけた担当SEを電話でフォロー。この担当者は可哀相に会社に泊まるはめになってしまった。私はというと,深夜の 1 時過ぎ復旧確認完了を聞きつけて布団で寝た。

* * *

今日午後,障害対策会議のため戸塚にある工場に出張した。メーカーSEとしての職業意識から顧客システムのために工場にものを作らせるのが自分の仕事と思っていた私は,昔は週一回くらいこの戸塚に通ったのだが,最近はオープンシステムで動作するアプリケーションビジネスに携わっているためか工場に実装要求を行うことが珍しくなってしまった。

久々に訪れた戸塚は再開発でかつてのゴミゴミした商店街がきれいさっぱり消え失せていた。線路に沿って建つ仮小屋のような店舗のラーメン屋で,昼飯に醤油ラーメンとチャーハンを食った。脂ぎったカウンターだけの寂しい店であったためか,懐かしい味がした。

担当SEは前夜のハード障害対応に張り付けたため,こちらの案件は急遽私が引き受けることにした。彼に命じてあった工場会議資料は予想通り障害対応ゆえにまったくできていなかった。手ぶらで工場の技術者と空中戦をやるわけにもゆかず,午前中ドタバタ私が断片を掻き集めて体裁だけは整えた。こういうときは議論のよりどころの有無が問題であって,別に 100 点の資料が求められるわけではないのだ。

Ravel;Daphnis Et Chloe
Charles Dutoit (Dir)
Orchestre Symphonique de Montréal
Polygram Records (1990-10-25)
Virtuoso-Shostakovich: Symphonies Nos. 1 & 5
Bernard Haitink (Dir)
London Philharmonic Orchestra
Imports (2012-06-28)