今日,娘を連れて,東急 Bunkamura で開催されている『青春のロシア・アヴァンギャルド』展覧会に行った。久しぶりの渋谷。最寄りの駅から直通でおよそ 15 分。JR 湘南新宿ラインの開通でこんなにも短時間になったのに,渋谷はもう何年ぶりだろうか。この暑さのうえ,相も変わらぬ人,人,人に少し酔ってしまった。
ロシア・アヴァンギャルドには「激動の時代の若者の好き勝手」というか,意思をもって過去に唾する血走った充溢感があって,いまなお「青春」という言葉が相応しいと私は思う。私は地下鉄銀座線の吊り広告でこの展覧会を知ってから,カジミール・マレーヴィチの絵を楽しみにしていた。『収穫』や『冬のモティーフ』などの作品を目の当たりにして感動した。この展覧会で,ボリス・アニスフェルドの『シェラミの娘』と『東洋の幻想』,アレクサンドラ・エクステルの『魚を持つ女』,ヴラディーミル・バラーノフ=ロシネーの『キュビズム風の裸婦』といった,これまでその名を知らなかった画家の素晴らしい作品を知るところとなった。『シェラミの娘』は現代日本のアニメの異次元ファンタジーに通じる幻想的な物語性でつよい印象を残した。娘は若きシャガールの『ヴァイオリン弾き』がお気に入りだったようだ。
娘は 109 に行きたがったが,やはり腹の鳴るのに耐えかねた。二人で安ステーキを食って帰宅した。汗だくになった私には,渋谷駅ホームにビルを吹き抜けて来る風が意外にも心地よかった。