体育祭,ピアノ発表会その他

今日は娘の体育祭とピアノ発表会。あいにくのブッキングで,まず体育祭に参加したのち,遅れて出番の直前に発表会に合流するという強行スケジュールであった。リレーなどで疲れ切った娘は,夕方 5 時過ぎ,会場である横浜関内の横浜市教育文化センターにゆく途上,ぶつくさいって始終機嫌が悪い。発表会のプレッシャーなんだろう。「いいねえ,青春は緊張の連続!」と他人ごとのような父。

演目はショパンのワルツ作品 69-1。二週間前まで暗譜が心もとなかった。それでも娘は練習の合間に,要求の多いこの父にショパンの夜想曲嬰ハ短調,メンデルスゾーンのヴェニスの舟歌,バッハのイタリア協奏曲を弾いてくれた。本番はこれまで付き合った練習よりもよい演奏だった。YAMAHA 製のコンサートピアノの素晴らしさに娘は感激したらしい,そのあと中華を食う間,うちのクラビノーヴァの酷さをさんざん託って「ピアノ買って買って」とうるさかった。「うちにはそんな金はねえ,高校までがまんしろ」と私は抵抗しつつ,アップライトをローンで買えないか思案をする。

発表会のピアノ部門の最後は社会人女性によるショパンの即興幻想曲嬰ハ短調作品 66 であった。音楽教室の最古参らしく,あの複合リズムも難なくこなして巧みであった。「このひと鹿島田の百均ローソンでレジやってんの。レジに並んでるとき,どっかで見たなあって思ってたんだけど」と娘が耳元でささやく。「カッコいい! コンビニのお姉さんが実は家に帰ってベートーヴェンの『熱情』なんかをポロロンとやってるなんて想像すると楽しいね」と私。音楽家を目指す秘めた夢をもって (そうでなければ即興幻想曲なんて難易度の高い曲を選択しないはずだ) 100 円ショップで働く女性に,衷心よりエールを送る。娘の無難な演奏以外に,今日感動したことのひとつ。

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もうひとつ。女子バレー五輪最終予選で日本代表チームがポーランドに快勝した。ここのところ世界の壁にぶち当たっていまひとつの感じだった代表が素晴らしい試合をした (ニュースで観ただけだけど)。女子サッカー日本代表もそうだけど,緊張が大いに高まるなかで実力を発揮する女子バレー日本代表の戦いぶりには凄まじいものがある。対戦データ分析によって戦略を練る柳本監督の姿勢にも,体力ではとても敵わない相手に対して日本人がなにをなしうるかを真摯に考えるマネージャを目の当たりにする感動を覚える。男子代表とはひと味違う,— おそらく 2010 W杯出場は難しい男子サッカー日本代表とも違う — 女子の精神力の強さを私は感じる。

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さらにもうひとつ今日感激したこと。ベラルーシ国立芸術アカデミー色彩学教授レニナ・ミロノヴァさんよりメールが届く。彼女の著書『Учение о цвете (色彩論)』を郵送してくれるとのこと。私が一方的に質問し,メールをやりとりしてもらっているのに,私の意見に対する返信は詳細を極め,親切,というか教育熱心このうえないのだ。送金すべきなのだが日本の色彩関係の本をお礼に送るということで纏まりそうである。

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ウィスキーでぐでんぐでんになってしまった。