misima 訂正,銀塩カメラ

misima 旧仮名遣い・旧字変換支援において全角スペースが削除されるとの指摘が私の掲示板であった。

この変換ソフトは,入力文字列を行だけでなく空白・タブなどの区切り文字ごとに分解し形態素解析を施しつつ変換していく過程で,行頭・行末の空白を喪失してしまう。普通の日本語表記には空白文字の概念は存在しないので,この仕様でも問題ないと思っていたし,いまもそう思う。スペースが削除されると困るのであれば,スペース以外のテキスト断片に対して変換操作を施し,結果でもとのテキストを挿げ替えればよいのだから。文章を入力する際,パラグラフの先頭に空白を置くことはよくあるけれども,これはそもそもスタイル,見た目の問題であって文書作成の清書の段階において,あるいはソフトの書式機能・スタイルシートによって調整すべきものではなかろうか。パラグラフのインデントを全角スペースで表現するのは邪道だと思う。レイアウトなどは misima の感知するところではないと考えている。私自身は逆に不要なスペースを切詰めてくれた方が内容重視の変換フィルターとしてありがたいと思うんだけど。

でも misima を愛用するユーザからいただいた要望でもあり,訂正も簡単なので,全角スペースに限り削除しないようにプログラムを修正することにした。サーブレット高速版フルオプション版も訂正して公開した。

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先日の娘の体育祭の写真が仕上がってきた。私は普段気軽に風景を記録する場合,携帯電話に付いているデジカメばかりを使っているのだけど,特別な日には高校生時代に購入したオリンパス製の銀塩カメラ OM2 をいまだに愛用している。私は幼い頃からメカニックが大好きで,中学のころから F1 などのレーシングカーのファンである (自動車の運転免許ももっていないのだけど)。『Autosports』などの雑誌になけなしの小遣いを毎月つぎこみ,Tyrell,McLaren,Lotus,Brabham のフォードマシンや Ferrari 312T の美しさに魅了された。枚方で開催されたとある展示会では,いまはもう忘れ去られた日本製の F1 マシン・コジマ KE-007 を実物で見て感動した。もう三十年も昔の話。こうしたモーターショーのようなところに F1 が展示されると耳にするや,OM2 を引っ提げて写真を撮りに行ったものだ。

私は古いものをことさら愛好する向きではないが,壊れないで十分用途を満たしてくれる限りは,買い替えをせずに使い続けるほうである。オーディオやカメラは酷使しない限り長持ちする (ソフトの進化とともにすぐに買い替えが必要となるコンピュータとは大違いなのである)。デジタル一眼レフが十メガ以上の画素数を誇る高精細とプロの要求にかなうシャッター感度とを獲得した昨今,銀塩カメラはもはや役割を終えたようである。会社の同僚,部下も何十万も叩いてキヤノン EOS を買ったとかの話で盛り上がっている。でも私は当分オリンパス OM2 を使い続けると思う。だって,交換レンズを含めてまた買い直すなんてお金はないから。オリンパスが OM のズイコーレンズをマウントできるデジタル一眼レフを開発したら,少しは物欲が動くかなー。いややっぱり OM2 に愛着があるんである。

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